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新規ソースとは、モロッコ産リン安の輸入ルートのことである。疑似固結とは、「固結に似たような現象」のことで、もともと水分が多いモロッコ産リン安を使った場合に起きる現象。メーカーは、製造時や包装時の段階で脱気の強弱を調整して固結しないように配慮している。
その一方で、脱気の調整をつけにくいバルク・ブレンドの肥料を使う機械施肥のケースでは、「固結防止剤の安定供給にも配慮」(サンアグロ「まんさく通信」14年4月号)という態勢をとっている。これがマーケットの基本だ。
あらためてホクレン内部文書をお読みいただきたい。最初から不良品と認めて製品を販売しようとしている。ノークレーム・ノーリターンの、やらずぶったくり商法そのものではないか。安岡審議官に、その旨、通知文書の該当部分を読み上げて指摘すると、思わぬ回答が戻ってきた。
「あるものを(畑に)入れてもらいます」
これには愕然とした。農水省自らが欠陥商品にお墨付きを与えたようなものではないか。先にも指摘したように、すべて何の根拠も示さずに期待願望だけで肥料行政を仕切ってきたツケがこうした形で出てくるのだ。
すごく気になることがある。道内JAは、通知文書の当該部分を組合員に説明していないことだ。パニックは確実に起きる。当事者ホクレンだけでなくも、チェックする立場にありながら、深刻な事態に目を背け続ける砂漠のダチョウと化した農水省・肥料行政に厳しい批判の目が向けられることは確実だ。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
土門辛聞
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