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特集

コロナ、ウクライナ動乱が日本農業にもたらすもの


農業にはやることが、いくらでもある。これからの人の働く場所は、案外農業にある。工場では、ロボットがロボットを作り、ロボットが車を作る。人間はいらないのだ。だったら、みんなで農業やればいい。そして、自分たちで作ったコメを食べればいい。自分たちの土俵を広げて、闘えばいい。
おもしろき農業を、よりおもしろがって、楽しもう。

ロシアのウクライナ侵攻が日本の農業経営に与える影響について/関西国際大学 国際コミュニケーション学部 教授 吉田 誠

【1│長期化するロシアのウクライナ侵攻】

執筆時点(4月7日)では、ウクライナとロシアの停戦交渉が続いています。しかし、停戦成立への道筋は未だ見えない状況です。海外メディア、ソーシャルメディアから得られる情報を基に分析する限り(日本のメディア情報を除く)、ロシアには本気で停戦交渉を進める意図はなく、一カ月間に及ぶ戦闘での失敗から体制を立て直し、再び大規模な侵攻を始めるための準備に入っているものと考えられます。少なくともウクライナ東部地域のスームィ、ハルキウ、ルハーンシク、ドネツィク、ザポリージャ、ヘルソン、クリミアの6州1自治共和国を完全占領しなければならないとロシアは考えているはずです。なぜなら、ウクライナ侵攻が成功であったと内外に主張するためには、少なくともロシアが一方的に独立を承認した同地域を軍事的支配下に置くことが必要不可欠であり、停戦交渉を優位に進めるための前提条件となるからです。
また、侵攻当初の目的であったウクライナ全土掌握と親ロシア政権の樹立へのプーチン大統領の妄執ぶりから考えれば、今後の戦況次第では、首都キーウへの侵攻も決して諦めたわけではないと考えておいた方がよさそうです。
さらに、中国、インドともに、ロシアを経済的・政治的に支える意思を明確にしています。日本のメディアでは、中国、インドは「あいまいな態度」を取っているという表現を用いていますが、これは大きな間違いです。中国、インドにとって、プーチンのウクライナ侵攻が失敗に終わったとしても、プーチン政権が続くことを望んでいることは明白です。なぜなら、弱体化したプーチン政権ほど両国にとって望ましいことはないからです。結束が強まる米欧諸国への対立軸が自国以外にあることで、米欧諸国からの圧力が弱まりますし、中央アジアでの覇権を狙う中国にとっては、ロシアの中央アジアへの南下戦略の圧力が弱まれば独り勝ちできることとなります。また、中国、インドにとってロシアは有力な資源供給国であり、マーケットとしての魅力も有しています。欧米諸国とロシアとの関係が悪化すればするほど、ロシアの資源を独占し、マーケットでのシェアを伸ばすことができるわけです。

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