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特集

コロナ、ウクライナ動乱が日本農業にもたらすもの


自助努力で地域内GDPを増やせるのは、活用されることの少ない農地と農業くらいのものかと感じてならない!
国の政策に合わせ、地域内の循環構築を進め、地域内の耕地を肥やし、「食」の生産、流通システムの再構築を今から進めるべきだ!と志向している。
これも、混沌に陥っている世界を俯瞰した際のひとつの方策であろうかと。

ポストコロナの農業を「どうするか」/(株)久松農園 代表 久松達央

ポストコロナの農業がどうなるか、という議論が喧しいですが、これはそもそもの立論が間違っています。議論すべきは、ポストコロナの農業を「どうするか」、です。
現在の日本の農業は零細な産業構造です。個々の経営体の規模が市場に対して小さいため、全体の大きな潮流と自社の行動の関連が見えにくく、ひたすら目の前の現実に適応する短期的な行動に走りがちです。一方、農業センサスなどから明らかなように、農業の集約は加速しています。わずか8年後の2030年には、農家戸数は40万戸程度にまで減少し、数の上では2万戸強、上位5%程度の売上規模5000万円以上の中大規模農業経営体が、全産出額の7割以上を稼ぐようになるという試算もあります。日本の農業が、大淘汰時代に突入していることは疑う余地がありません。
農業者の、助成金などへの対応を見ていると、「後は野となれ」とばかりに、自分だけが人生を逃げ抜けられればいいと考えている人が少なくありません。正論を唱える者が、「上手に立ち回る」者に競り負ける、悪貨が良貨を駆逐するような状況も見受けられます。今後集約によって、プレイヤーの全体数が減り、個々の振る舞いが全体に及ぼす影響が可視化されるようになると、そのような経済行動には意味がなくなります。ただ権勢に寄り添って得を取ろうという無節操な非協力ゲームが減り、あるべき全体の形、を前提にした議論が進みやすくなると思われます。それは縮小局面の日本にとって、とても大切なことです。
政府の試算では、2100年の日本の人口は3800万~6500万人にまで減少します。たった100年で、人口がピーク時の2分の1~3分の1になってしまうのです。1億を超える大国が、かくも早いスピードで縮んだ例は歴史上ありません。私たちは未曾有の時代に生きています。そして、このような大きな構造変化は日本に限った話ではありません。中国の人口はほどなくピークアウト、インドを含むアジア全体も、2050年頃までには縮小局面を迎えます。凄まじい勢いで増加期を迎えているアフリカの人口を加えても、2100年頃に世界人口はピークを迎えることが予想されています。

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