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特集

コロナ、ウクライナ動乱が日本農業にもたらすもの


VUCAという言葉を利用し、結局は「変化に向かい合おう」「基本はしっかり」「分析はちゃんとしよう」「仲間は大事に」みたいな当たり前すぎることを書いてみた。「変化が激しく不確実、複雑で曖昧な時代」と言っても、読み解けば基本に還る。それがここに書いたことである。やるべきことは変わらない。大事なのは「やる」のか「やらない」のか、それを決めることになる。

「貧乏人はコメを食え」という時代に/農業プロデューサー 土下信人

社会はスピード感を伴って揺れ動いている。コロナ禍に2年近く断続的に見舞われた。世界の経済は停滞し、人の行動様式が変容し、生活スタイルが大きく変わった。さらに今年に入ってから、ロシアのウクライナ侵攻が起こり、ウクライナ侵攻禍と言える現象が生まれている。
コロナ禍によって、人の行動が制限され、在宅、巣ごもり生活が始まり、ネット通販、ネット出前、テイクアウト、おうちご飯などの利用が高まった。自分の近場で買い物をするようになり、スーパーマーケットに人が溢れた。政府や自治体首長による徹底した飲食店イジメがなされ、時間を制限したり、閉店せざるを得なくなった。派遣社員の雇い止めやアルバイトの失業が進んだ。貧困が深刻化した。人がいなくなったり、人であふれたり、街のシーンはネコの目のように変化した。世紀末なのか、近未来なのか、いずれにせよ職のない人には限りなく不幸な景色となった。女性の自殺が増え、街で春を売る人まで現れた。
また、政府は観光立国と言って、4000万人の観光客を実現するために、インバウンド向けの施設が急速にできたが、それらもコロナ禍で打撃を受けた。以前は中国人、台湾人、韓国人など、外国人だらけだった施設も閑散とした。繁華街の夜は午後8時にはネオンが消えた。一部の居酒屋では、隠れて店を開き、人が密集しながら、大きな声で話し酒を呑んでいた。
農業の分野では、体験型観光農園の「いちご狩り」などで客が激減した。さらに、在宅での仕事や遠隔会議が行われるようになり、ビジネスのありようが大きく変わった。結果として働き方改革が進んだ。
そこに、ロシアのウクライナ侵攻禍が起こり、ロシアの上空は飛べなくなり、ヨーロッパへのアクセスが困難となった。天然資源の価格が上がり、円安が進行し、1ドル120円に突入した。2016年以来の円安である。輸出をメインにしている会社は高笑いだ。

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