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会計ソフトの弥生に聞いたインボイス制度の仕組み

免税事業者のままでいることのメリットはほぼ無し

三つの特例 インボイス制度にはいくつかの特例があります。農業に関するものでは、農協特例、卸売市場特例、媒介者特例の三つが大いに関与します。
まず、農協特例ですが、農業者が農協に委託販売を行なう取引のうち、無条件委託方式かつ共同計算方式の二つの要件を満たす場合、農業者によるインボイスの発行義務が免除されるというものです。コメなどが該当します。その代わりに農協がインボイスを発行することで、買い手は仕入税額控除が受けられます。農業者のなかにはインボイスを発行できない免税事業者も含まれるでしょうが、農協が代行してくれるため、取引上、不利になることはありません。
農協以外の商系業者や飲食店などの事業者は、買取が一般的のため、農協特例は適用できません。これらの買い手がインボイスを必要とする本則課税の事業者の場合、適格請求書発行事業者でない農業者と取引する際には不利になります。
次に、卸売市場特例ですが、農業者が農協に委託販売を行なう取引のうち、卸売市場を通して卸などの実需者に販売する場合、売り手である農業者の適格請求書発行義務を免除し、卸売市場が発行するインボイスで買い手である仲卸や青果店が仕入税額控除をすることが認められるというものです。野菜などが該当します。農産物を生産した農業者が適格請求書発行事業者であるかどうかは関係なく、適格請求書発行事業者でない農業者も取引上、不利になることはありません。
最後に、媒介者特例ですが、農協直売所に委託販売した農産物は、無条件委託や共同計算ではないため、農協特例が適用できません。しかし、会計時に売り手である農業者が一般消費者へ個別にインボイスを発行することは困難です。そこで、委託者と媒介者(農協)の双方が適格請求書発行事業者である場合、委託者に代わって媒介者が自己の氏名と登録番号を記載したインボイスを発行できます。これが媒介者特例です。適格請求書発行事業者でない農業者は、農協直売所にインボイスを発行してもらえません。これが農協特例や卸売市場特例との大きな違いです。

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