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土門「辛」聞

偽旗の肥料行政―食料安全保障に逆行する砂漠のダチョウ


気になることがある。全農が用船した船籍が「香港・中国」だったこと。そんなことはないと思うけど、もし船長や船主が、北京の共産党政権の影響下にある人物だったら、航海ログ(日誌)とともに、わが国の肥料原料調達事情を北京政府にご注進していたかもしれない。安全保障というのは、こんなスパイ映画もどきの奇想天外な発想も身につけておく必要がある。そうでないと、習近平・中国やプーチン・ロシアと互角に渡り合えない。
【第3船=SEAMASTER】この船の問題は、国内最初の目的港である小倉港から全農GR専用バースへ着岸するまで4昼夜もかけたことだ。両港間の海上距離は、105マイル(194km)しかない。通常の運航速度(時速13ノット)でも8時間もあれば着く。さらなる理解不能は、早くに目的港近くに着きながら、その沖合でアンカーを打って停泊していたことだ。
航跡を追うと、その謎はすぐ解けた。3月15日(火)午後6時前に小倉港を出港した同船は、同11時半には呉港沖合に到着している。江田島港・全農GR専用バースの数km沖合の地点だった。ここで3日半以上も時間つぶしをしていたのだ。同バースに着岸するのは同19日(土)午前8時。荷下ろし作業は、すぐには始まらなかった。現地に確認した作業の開始は22日(火)。
すぐに始まらなかったのは、その間、3連休(19日から21日)があったからだ。全農GR専用バースは、その名の通り全農GRが所有する。公共埠頭なら土日祝日は休みかもしれないが、専用バースなら自由に使えるはずだ。もし全農GRに人手が足りなければ、全農本体の肥料部から職員を応援に駆り出せばよい。全農という組織には、一刻でも早く荷物を届けるという前垂れ精神はないようだ。
第3船は、同24日に江田島を出港。前2船と同じく巡航船の運航ダイヤで釧路港へ向かう。釧路入港は4月の声を聞いてからだろう。この船もモロッコを出港してから2カ月を経過しての同港到着となる。

食料安全保障に遠い物流インフラ

食料安全保障を農業の視点だけで議論すると、本質を見失う。その昔、農業はロジに始まり、ロジに終わると喝破した方がいた。北海道大学農学部の天間征教授。その謦咳(けいがい)に接した折、その意味を問うてみたことがある。先生、答えて曰く「肥料など資材も、収穫物も、すべては輸送が基本」。僭越ながら、先生のオリジナルか問うてみたら、「ソ連の農業経営学者がそう書いておった」。

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