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【今年の市場相場を読む】
「果物消費減・高単価時代」の果実的野菜 イチゴ/アールスメロン/スイカ類/コダマスイカ
- 第308回 2022年04月25日
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イチゴ/栃木県がマーケット基盤作り、品種新旧交代も趨勢か
【概況】東京市場におけるイチゴを、12~13年と、21~22年ともに3月~2月で対比すると、数量では2.5%増加、キロ単価は30%高くなった。3%程度の入荷増とはいえ、産地によって事情は大きく違う。10年前には「とちおとめ」の栃木が36%のシェアで1位、「あまおう」の福岡が19%で続いており、「さがほのか」の佐賀が11%、「紅ほっぺ」の静岡が8%。近郊産地の特徴を生かして代表品種を持たずに、数量で勝負していた茨城が11%という位置だった。
【背景】 果物類全般、この10年間は生産者の高齢化等が放置されて面積が減る傾向にある。各産地とも差別化戦略、ブランド化を目指して高単価を狙った競争が激化してきた。イチゴの場合は、かつての二者択一的な品種間戦争ではなく、県産ブランド合戦の時代に至っている。ただし、このブランド化は「新品種・大玉・高糖度」同士の競争になっていて、産地によって、品種の新旧によって、動きは明暗が分かれている感がある。果実的野菜の本領発揮というところ。
【今後の対応】現在、東京市場の基盤を担っているのは栃木県で、とちおとめをベースに、「とちひめ」、「とちあいか」と続き、大玉高級品種「スカイベリー」も加わりこの10年で入荷4割増、シェアもほぼ50%に。紅ほっぺに「きらぴか」を加えた静岡も16%増えだが、独占品種あまおうで勝負してきた福岡は25%も減らし、さがほのかの佐賀は54%減。まだ数量は少ないが、復興のシンボル的な品種「もういっこ」の宮城が7倍増だ。新旧交代が進行中だから、新規参入も面白い。
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