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Economic eye

中国にのめり込む米ビジネス 米製造業の中国現地生産は日本より多い

政治外交の世界では、「中国封じ込め」「米中分断」論が強い。一方、経済面では中国貿易で利益を受けている企業が多い。「経済安保法制」を巡る議論にも、国論の混迷がうかがわれる。政治と経済の二律背反があるのではないか。
「米中分断」は現実だろうか。その虚実を検証したい。統計を分析すると“意外な事実”が浮かび上がってくる。
Fact1:輸出入貿易は、米中間6,570億ドル、日中間3,500億ドルと、米国と中国の結びつきは日中間以上に大きい(2021年)。
Fact2:2018年に始まる米中貿易戦争後の米中貿易からは、「分断」は必ずしも検証できない。米商務省の統計によると、21年の対中輸出の伸び率は21%増、中国からの輸入も16%増である。コロナ禍に伴う調整はあるものの、とても「中国封じ込め」や「米中分断」を思わせる動きではない。
Fact3:外資企業の中国進出はまったく衰えていない。中国の対内直接投資は17年1,360億ドル以降、1,380、1,410、1,490、1,730億ドルと拡大している。毎年、前年を上回っており、「中国封じ込め」の影響は表面化していない。
Fact4:多国籍企業は国内からの輸出を控え、直接投資による現地生産を増やしている。製造業分野で、米系企業の中国現地生産は3,750億ドル(40兆円)と、日系企業の2,480億ドル(27兆円)よりも多い(2019年)。

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