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【Economic eye】
中国にのめり込む米ビジネス 米製造業の中国現地生産は日本より多い
- 評論家 叶芳和
- 第10回 2022年04月25日
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「米中分断」は現実だろうか。その虚実を検証したい。統計を分析すると“意外な事実”が浮かび上がってくる。
Fact1:輸出入貿易は、米中間6,570億ドル、日中間3,500億ドルと、米国と中国の結びつきは日中間以上に大きい(2021年)。
Fact2:2018年に始まる米中貿易戦争後の米中貿易からは、「分断」は必ずしも検証できない。米商務省の統計によると、21年の対中輸出の伸び率は21%増、中国からの輸入も16%増である。コロナ禍に伴う調整はあるものの、とても「中国封じ込め」や「米中分断」を思わせる動きではない。
Fact3:外資企業の中国進出はまったく衰えていない。中国の対内直接投資は17年1,360億ドル以降、1,380、1,410、1,490、1,730億ドルと拡大している。毎年、前年を上回っており、「中国封じ込め」の影響は表面化していない。
Fact4:多国籍企業は国内からの輸出を控え、直接投資による現地生産を増やしている。製造業分野で、米系企業の中国現地生産は3,750億ドル(40兆円)と、日系企業の2,480億ドル(27兆円)よりも多い(2019年)。
Fact1:輸出入貿易は、米中間6,570億ドル、日中間3,500億ドルと、米国と中国の結びつきは日中間以上に大きい(2021年)。
Fact2:2018年に始まる米中貿易戦争後の米中貿易からは、「分断」は必ずしも検証できない。米商務省の統計によると、21年の対中輸出の伸び率は21%増、中国からの輸入も16%増である。コロナ禍に伴う調整はあるものの、とても「中国封じ込め」や「米中分断」を思わせる動きではない。
Fact3:外資企業の中国進出はまったく衰えていない。中国の対内直接投資は17年1,360億ドル以降、1,380、1,410、1,490、1,730億ドルと拡大している。毎年、前年を上回っており、「中国封じ込め」の影響は表面化していない。
Fact4:多国籍企業は国内からの輸出を控え、直接投資による現地生産を増やしている。製造業分野で、米系企業の中国現地生産は3,750億ドル(40兆円)と、日系企業の2,480億ドル(27兆円)よりも多い(2019年)。
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叶芳和 カノウヨシカズ
評論家
1943年、鹿児島県奄美大島生まれ。一橋大学大学院経済学研究科 博士課程修了。元・財団法人国民経済研究協会理事長。拓殖大学 国際開発学部教授、帝京平成大学現代ライフ学部教授を経て2012年から現職。主な著書は『農業・先進国型産業論』(日本経済新聞社1982年)、『赤い資本主義・中国』(東洋経済新報社1993年)、『走るアジア送れる日本』(日本評論社2003年)など。
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