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コメ記者熊野のコメ市場情報

農水省のコメ現物市場検討 設計に産業化ビジョンなし

大手中食事業者サイドから、農水省が検討している「コメの現物市場検討会(以下検討会)」について筆者に問い合わせがあった。検討会については生産者サイド、流通業界の関心が強いのは当たり前としても、需要者サイドから問い合わせが来るのは珍しい。
それだけこの問題が、コメの先行きに大きな影響を与えると見ているからに他ならないが、残念ながら農水省が3月に公表した「現物市場の制度設計」を見る限り、何をやりたいのかさっぱり分からない。
分からない原因は、様々な立場から検討会に出席した委員の意見を切り取って総花的に羅列しただけの内容だったからである。結論として分かるのは「4月以降、関係者からの更なる意見収集を行いつつ、運営主体等も含め継続検討」と結んでいることだけである。
なぜこうしたことになってしまうのか? 最大の原因はコメ政策にビジョンがないからに他ならない。コメを産業化したいというビジョンがあれば「コメの市場」のあり方は自ずと決まって来るはずである。

制度設計に呆れる出席委員 運営主体も示されず

昨年9月の第1回会合から今年3月までに4回にわたり開催された検討会では、取りまとめとして制度設計について、以下のように記されている。
●関係者の立場に応じた多様な取引需要をマッチングし、納得感のある取引を実現する場として現物市場を設計
●需給を反映した取引の情報として、取引量と取引価格に関する情報を生産者を始めとする関係者への需給シグナルとして伝達
●今後一層具体化してスタートし、取引参加者のニーズを踏まえながら見直し
市場施設については、現物市場(マッチングの場)として、配送手配、決済(代金回収)、情報処理、情報提供、事故・クレーム処理を含め、取引参加者のインセンティブになる機能を検討。運営コストも、細部についてビジネスベースで継続検討するとしている。
〈大口取引〉
●集出荷業者と卸売業者との取引
●大ロット(トラック1台:12t程度)

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