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今年の市場相場を読む

コロナ禍―野菜のビフォア・アフター キャベツ類/ニンジン/ネギ/レタス類

ウィズ・コロナながら経済活動回復への期待が高まっている。野菜の入荷、販売も活性化しつつある。コロナ禍では業務用主導から一般消費にウエイトが移り、業務用相場は軟調推移が目立った。業務用は一定の必要量があるため、入荷の増減が敏感に相場に反映される。安くなっても仕入れ増にはならない。コロナ前(19年3月~)と直近(21年3月~)の“ビフォア・アフター”をやってみよう。


キャベツ類/産地リレー体制が万全で業務用を家庭用でカバー

【概況】東京市場におけるキャベツの動向を19年3月~20年3月と、2年後の21年3月~22年3月を比べると、ともに13カ月の合計は入荷量も単価もほぼ同じという偶然。業務用でも小売・家庭用でもダントツの中心品目であり、それだけに完ぺきな産地リレー体制が整っているため、多少の豊凶なら東京市場には過不足なく入荷するためだ。ちなみに、18~19年同月の入荷量も翌年とほとんど同じ。コロナ2年目はさすがに減ったが3%程度だ。
【背景】コロナ禍では、外出自粛や飲食店の営業自粛が相乗して、相場の底支えをしてくれる業務需要は目に見えてガタ減りし、高安に敏感に反応して購入の増減がある一般需要が中心となった。ところが、一般消費者が外出しなくなって外食をしなくなると、当然家での食事が増える。そこで、普段は外食で消費している分のキャベツは、家庭で調理され食べられることになった。長期間巣ごもりする初めての経験で、日本人は家調理や家飲みなどの一家団欒を見直した。
【今後の対応】今年に入って一連のまん延防止対策が緩和されたことで、俄然、業務用需要が回復した。2月には、生育遅れなどで2年前の同月より入荷が1割弱程度減っただけで、単価は1.7倍にもなり、本格的な回復基調に乗ってきた3月には、2年前比で20%高、コロナ禍真っ盛りだった前年同月比で、単価は1.8倍にもなった。久しぶりに「業務需要の強い引き」による相場高だ。4月も中旬まで、この単価高(前年比1.7倍)は続き、キャベツは日常を取り戻した。

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