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江刺の稲

肥料高騰時だから再検討すべきこと

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第312回 2022年06月27日

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本誌読者であればそのようなことはないと思いたいが、習慣的に「10aに○袋」といった施肥をしていることはないか。あるいは普及所や農協指導員の言うままに「標準施肥量」を無疑問に信じていないだろうか。
作物は前作で施肥した肥料分をすべて吸収しているわけではない。場合によっては相当量の肥料分が土壌中に残っている場合もある。それを続ければ必ず「過剰施肥」を原因とする生育障害が発生する。それがいわゆる連作障害と言われるものの原因になっている場合もある。無駄な肥料を使ってむしろ収量を落とす原因となっている場合もあるのだ。
こういう肥料高騰のタイミングであればこそ、圃場の土壌診断に取り組んでみるべきだ。それだけで必要施肥量はきっと減ることになるだろう。かつてはともかく普及所でも農協、肥料業者でも土壌診断を頼めるはずだ。
こうした土壌診断、あるいは過剰施肥、それによる連作障害に関する解説を本誌では行なっている。ぜひ、当社が運営する農業ビジネスのサイトで「土壌診断」「過剰施肥」「連作障害」などと検索して調べていただきたい。適正施肥をしている方でも、きっと新たな気づきが得られるはずだ。
本誌読者の中には、毎年50万円程度のコンサルタント料を払い、海外の機関に土壌診断を依頼して良好な作を得るだけでなく、低コスト化に結びつけている人もいる。アメリカやEU諸国などでは施肥に関してコンサルタントに依頼するのは普通のことである。我が国ではむしろ、行政の普及機関や農協組織が過剰施肥を進めてきてしまったという歴史もある。

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