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コメ記者熊野のコメ市場情報

機械検査で変わるコメ流通 品位データが価格に影響

5月下旬、およそ2年ぶりに関東周辺の米穀業者が都内に集まって情報交換会と席上取引会が開催された。情報交換会でのテーマは「コメの検査制度改革」と「インボイス制度導入の対応策」の2つで、それぞれのテーマについてこの問題に詳しい人物を招いて講演会を開催した。
この2つのテーマは、いずれも今後コメ業界に大きな影響を与えると予測されるとあって、講演後の質疑応答が約1時間にも及んだ。
インボイス制度は来年10月1日から導入されるが、いわゆる農協特例によって集荷面で共同計算方式を持ち合わせない商系集荷業者は税制面で著しく不利な立場に追い込まれるため、その対応策としてどのようなものができるのか活発な意見が交わされた。
検査制度改革では、2022年産から機械検査が導入されることが決まり、農水省が機械検査規格の表示例を示したことから、これまでコメの検査は人間の目視が大原則であったが、これが大きく変わることになり、具体的に機械検査でどのような項目を検査するのか会場に機器が持ち込まれ、容積重計測の実演が行なわれた。

容積重を計測する機械 農水省が表示例を示す

農産物検査制度の改革の項目は多岐にわたるが、最も大きな影響が出ると予想されるのが機械検査の導入である。
農水省は4月に農産物検査の見直しと題した文書を公表した。この中で「機械鑑定を前提とした規格」を示している。表示例として、容積重815g/1リットル、白未熟粒15%、水分14.7%、死米5%、胴割粒8%、砕粒2%、着色粒0.3%という数値を示している。
これはあくまでも表示例であり、この数値が目視に因る1等米相当という基準を示したものではないのだが、その持つ意味は大きい。なぜならこれまでコメの取引は人間の目視に因る等級格付けで価格が決まっていたが、機械検査でより具体的な数値が出ることによってコメの需要者はこのデータを重視することになると予想されるからである。
特に容積重は、精米歩留りとの関連性が高いことから、玄米の価格設定をする場合、重要な要素となる。
米穀業者の情報交換会では、(株)ケツト科学研究所の廣瀬エリアリーダーが容積重を計測できる電気式穀粒計を会場に持ち込んで説明に当たった。

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