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今年の市場相場を読む

産地リレーの構造が変わった野菜類 小ネギ/ニラ/オクラ/インゲン

野菜類は本来、地域ごとにそれぞれ生産適期があった。現在では、1年を産地間でリレー生産・出荷して、通年の供給体制ができた。周年供給する品目や事例も徐々に増えているが、やはり無理なく生産が移動し、安定したコストで切れ目なく供給することが重要だ。ただし長い間には、その産地リレーに入れ替えが起きることも多い。どんな理由で産地の衰勢があったのかを知ることは必要だろう。
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小ネギ/22産地が施設で周年栽培、気になる青ネギの存在

【概況】東京市場には年間4000~5000t、品揃えに不可欠な準定番野菜で、年間を通じてほぼコンスタントに入荷している。50年代後半には「博多万能ねぎ」が6割以上を占めていた。小ネギのような軟弱野菜は本来、近郊産地や施設園芸産地の得意技であり、02~03年になると、福岡は4割弱にシェアを下げ2位には千葉が18%。以下、高知、大分、静岡が続く。高知は年間通じた施設園芸大国、大分は福岡を真似て“フライト”をウリにしていた。
【背景】 周年にわたり流通している品目は、そのほとんどが南北を往復して産地リレーすることで成立しているが、小ネギは、出荷22県のほとんどの産地が周年生産・供給しているのが大きな特徴。ただし、福岡を始めとする主産地は、需要期である夏場を中心に出荷量が落ちるため、単価も高いこの時期を狙って産地づくりしたと思われる県も少なくない。季節柄、高冷地や夏秋産地だ。21~22年には福岡33%、静岡21%、大分16%、千葉11%、京都も4%ある。
【今後の対応】小ネギの産地リレーとは、原則、ハウス・施設栽培している主要産地に、夏場を含むスキマを補完する産地という役割分担であり、それだけ定番品目に育ってきたことが分かるのだが、京都から入荷する“九条ネギ”は小ネギではない。博多万能ねぎに代表される小ネギは、同じ九条系でも「ネギ臭さと辛みのない」品種であり、京都からのものは関西でいう薬味「香りがよくピリッとする食味」の青ネギだ。関東で初めてカットネギとして商品化された。

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