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土門「辛」聞

水活交付金のルール厳格化 反対論に根拠は何もない

6月16日付け秋田魁新報の記事には笑ってしまった。その日の6月秋田県議会予算特別委員会の総括審査で、佐竹敬久知事が言い放った、この一言だ。 「水田活用の直接支払交付金(水活交付金)の交付要件の厳格化が参院選の争点の一つになる」
参院選公示(同22日)の6日前の発言だった。
水活交付金の問題が、参院選の争点になったか。公示後に公表された各党の選挙公約や、同紙が実施した秋田選挙区の候補者6人に対する「農業振興 どう図るべきか」のアンケート調査をチェックしてみた。争点になったとは思えない。明確に反対したのは共産党の藤本友里候補と無所属の村岡敏英候補の2人ぐらい。自民党の石井浩郎候補(現職)に至っては、この問題には何も触れていない。

殿様と共産党系農民連の野合

知事発言の真相を追うべく、県内有力市の農政担当課長に取材をかけてみた。どの市も水活交付金の交付要件厳格化に反対していた。なぜ反対するのかと質問してみたら、驚くような答えが戻ってきた。
「県庁の指導です」
その答えぶりから、県内市町村に指導しているのも、佐竹知事を“反対運動の闘士”に仕立て上げたのも、県農林水産部かと思った。そこで佐藤幸盛部長に直撃取材をかけ、反対の理由を質してみた。その説明の前に、水活交付金の交付要件の厳格化について簡単なおさらいをしておきたい。
水活交付金は、水田において主食用米から他作物への作付転換を行なう場合に、主食用米との所得差を補填し、作付転換を推進するための交付金。他方、畑作物の直接支払交付金(ゲタ=畑作交付金)は、国境措置のない作物について、諸外国との生産条件の格差による不利を補正するための交付金である。
問題となっているのは、その交付金のルール。水田の定義は、水をたたえるための畦畔のある耕地。現行ルールでは「湛水設備(畦畔等)を有しない農地」と、「所要の用水を供給し得る設備(用水源および用水路等)を有しない農地」のいずれかに該当すれば、交付対象から外すように決まっている。このルールが明確化されたのは、2017年のことで、その前年に、もはや水を溜められる状態ではない農地に水田交付金が支払われているのはおかしいという指摘があり、ルールを見直すことにしたのだ。

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