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コメ記者熊野のコメ市場情報

先行き予想困難な新米動向 コメ以外にも大きな変動要因

6月21日、千葉市で関東の米穀業者が集まって情報交換会と席上取引会が開催された。会場に集まってのリアルな情報交換会は半年ぶりのことであったが、コメを取り巻く情勢が急変しつつあり、22年産米の動向を巡る情報交換会にも熱が入った。
参加者はいずれも長らくコメの商売に取り組んで来た集荷業者や卸等であったが、現在起きている現象は、これまで誰も経験したことがないような大きな変化が予測される要因ばかりで、今後、何が起きてどのような影響が出るのか手探りといった雰囲気であった。しかし、あと1カ月半もすれば関東では新米が出回る時期になり、価格動向の目途を付けなくてはならず、そのことに話題が集中した。
新米の価格動向を読みづらくしている原因は、コメの需給状況や政策的要因以外の要素が多くあり、しかもそれらの要素はこれまで誰も経験したことがないような出来事で、それらを加味した予想は極めて難しい。世界的な穀物の急激な値上がりに加え、生産資材の急騰、さらにそれらに追い打ちをかける円安などがコメにどう影響するのか見極めるのは至難の業と言うしかない。

静かに始まった変動の予兆 加工用米の値上がりが端緒

先行きの予想が困難な状況にあって、あえて22年産新米の動向を予想するならば、これまでのセオリー通り、大きな価格変動が起きる際に必ず起きるパターンを見る必要がある。相場が反転上昇する兆しは、まずスソ物から起きる。スソ物が値上がりして上級品(産地銘柄米)との格差が縮小して、全体が値上がりするという構図である。
コメのスソ物と言えば特定米穀いわゆるくず米で、21年産はコメ全体の需給が緩んでいたことから出回り期から4月まで低位で落ち着いた値動きになっていた。それが動意づいた要因の一つとして、国がコメ加工食品業界に売却するMA米の売却価格を大幅に値上げしたことが挙げられる。
具体的には今年1~3月分の売却価格を1kg149円に値上げ、さらに4~7月分は177円まで値上げした。これは昨年までの価格に比べちょうど50円値上げしたことになる。

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