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今年の市場相場を読む

円安の影響が出始めた野菜類 カボチャ/アスパラガス/ブロッコリー/ニンニクの芽

この5月の消費者物価指数は、前年同月を2.1%上回った。コロナ禍に加えてウクライナ侵攻に伴うロシアへの経済制裁の影響が相乗し、円相場が超速で130円台後半まで暴落した。輸入原材料を加工して輸出する構造の日本経済は、長く続いた不景気にさらに物価上昇が重くのしかかる。野菜需要のうち20%は輸入品で賄われている。国内の野菜マーケットはどんな形で円安の影響を受けているのだろう。
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カボチャ/輸入品シェア44% 国産化の推進で産地リレー充実へ

【概況】東京市場にはカボチャが年間を通じて入荷する。直近の1年間をみるとトップは北海道の37%だが、2位はメキシコ25%、3位ニュージーランド17%で、輸入品が合計44%を占めるから、為替相場には影響されやすい品目だろう。春から沖縄、鹿児島、関東へと移り、北海道が8~11月を担当、メキシコ産は12~1月を、その後春まで、メキシコの抑制産地物とニュージーランド産が季節を分担している。さて円安の進行とシンクロするか。
【背景】輸入産地のうちメキシコは、MVM商事が最初に日本種の開発輸入を始めた、12~1月を中心とした主産地だ。これに加え、春にニュージー産の供給が不安定化する時期用に、抑制産地を開発した。その結果、東京市場でこの5月には49%、21年6月で55%という存在感に。国産も含めた直近1年の全体の平均単価は1kg185円だが、円安の影響は今年4月から顕著になった。4月はニュージーランド産201円、メキシコ産354円、5月はそれぞれ199円、239円に。
【今後の対応】国産と輸入とでリレーしてきたカボチャに、最近新しい動きが出てきた。国産が可能なのに輸入していた時期を狙う、新たな産地づくりが始まっているのだ。この国産化を率先しているのが、開発輸入で名を馳せたMVM商事で、全農も業務提携して支援している。畑で収穫・箱詰めまでする特製マシーンを開発したり、糖度を選別できる選果機なども導入した。水分が低くて糖度が高い「ほめられかぼちゃ」という差別化ブランドを誕生させている。

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