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ラウンドアップマックスロードの5リッター少水量散布という除草技術がもたらす経営的可能性

大豆編

本誌2021年12月号から始まった「ラウンドアップマックスロードの5リッター少水量散布という除草技術がもたらす経営的可能性」なるシリーズ企画。作物別編の2回目となる今回は大豆を取り上げる。(文・写真/永井佳史)

耕起に頼る雑草対策の危険性

府県での水田転作では、大豆の耕起・播種までの期間が短く、通常は時期的に梅雨が重なるため、限られた時間での作業が求められる。大規模経営となればより過酷な条件を強いられ、播種適期を逃せば収量を落とすことになる。
大豆の収量確保という面では雑草の管理も重要な要素に位置づけられる。農研機構九州沖縄農業研究センターによると、雑草害で大豆の収量が52%も減収したとの報告もある。雑草対策で一般に行なわれている播種床の造成を兼ねた耕起では十分とはいえない。既発生雑草は、耕起だけでは土中で生き残って再生し、播種後に土壌処理剤を散布しても抑えられないことがある。
そこで、ポイントとなるのが耕起前の除草剤散布だが、上述のとおり、大豆の播種までは時間がない。既発生雑草に対してラウンドアップを散布するにしても、ジェネリック剤が各社から販売されている初代ラウンドアップであれば耕起は散布の10日後、二代目のラウンドアップハイロードは3日後でなければならなかった。その理由は、薬剤の浸透移行が十分ではなく、耕起すると既発生雑草が再生する恐れがあったからだ。つまり、効率的な作業には適さないことになる。その点、最新のラウンドアップマックスロードであれば、散布後速やかに薬液が雑草の茎葉にしっかり吸収されて根まで移行するため、翌日に耕起作業へ入ることも可能だ。散布翌日では雑草はまだなんの症状も示していないが、活性成分の優れた吸収力で植物体内にはきちんと取り込まれている。土に落ちた薬液は、土の粒子に吸着されるため、大豆の生育に影響を及ぼすようなことは一切ない。
ラウンドアップマックスロードも、慣行は希釈水量100リットル/10aでの散布が主流だったため、1回で処理できる面積はわずかにとどまり、給水回数やそれに要する時間は相当なものだった。しかし、昨年6月に発売された、ラウンドアップマックスロード専用ノズルのULV5を用いればラウンドアップマックスロードの薬量は従来のままで、わずか5リットル/10aの希釈水量での作業が実現し、ブームスプレーヤーのタンク容量が同一だとすると、散布面積は20倍、給水回数は20分の1、給水時間は約10分程度(注:タンク容量が500リッターの場合)と、大幅に能率が高まる。

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