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北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信

トラクターも飛行機もやっぱりパワーが要る

「パワー・パワー、高度が低い、スロットルを入れて!」 高度が低いとパワーを入れて高度を上げる? 違う! そこでヨーク(操縦かん)を引いたら速度が落ちる! 「はい教官!」
着陸は飛行のなかで一番難しい、というよりも緊張する。巡航速度からはパワーを少し絞り、パワーオンディセントにセットする。所定の高度になると、もっとパワーを絞る。速い速度でフラップを出すと壊れるので、エアースピードのホワイトラインを確認しながらフラップを下げる。フラップはパワーの使い方次第で高揚力装置であるとともに、ディセント・レイトを高くして降下率を高める優れものだ。
グライド・パス(進入角度)より低くなったら、スロットルを300rpm(エンジン回転数)くらい高くする。速度は変わらないが、ディセント・レイトが止まる。意外と思われるが、ファイナル(最終進入)では、高度はスロットルで調整して、エアースピードはヨークの上げ下げで調整する。その際、パス角よりもまずは速度だ。ランウエイ一番手前にあるPAPI(着陸誘導装置)の赤2つ、白2つを維持すれば、そのランウエイのグライド・パスおよそ3度がわかるのだ。PAPIは日中だと5マイル(約9km)、夜間だと20マイル以上でインサイト(視認)できる。空は海と同じで、1.8km/ノーティカルマイルを使う。
進入を続ける。PAPIが白3つになった。パス角よりも高度が少し高い、パワーが残っているからだ。タワー(管制塔)から情報が入る。
「ウインド300(度、磁方位)、10(ノット)」
着陸するランウエイは27(磁方位で270度)だから、ウインドは右30度から10ノットだ。横風着陸の訓練には最高だ。
最終確認だ。GUMPチェック、ガス(燃料)バルブ、ギア(着陸装置)ダウン、ミックスチヤー(混合機)フルリッチ、プロップ・フルフォアード、ドアロック、シートベルト・セキュア―。

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