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江刺の稲

世代交代とよそ者の参入が農業を変えていく

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第315回 2022年09月30日

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多様なマーケットや時代を見つめる農業経営者の登場と活躍を期待してウルグアイラウンドの農業合意で農業界が大騒ぎしていた1993年の5月に本誌を創刊させた僕としては、つくづくこの30年の変化を感じる。それも高齢者のリタイヤによる離農の増加が新世代の登場を招来させている。もちろん、数こそ少ないが創刊当時でも現代の多くの農業経営者たちの考えを先取りするような人々もいた。北海道栗山町の勝部農場では、現当主の勝部佳文氏の祖父である徳太郎氏がH・フォードの自伝を読み、戦後の食糧難の時代にイチゴを作り、戦地から多くの農家が戻ってきた戦後数年後にはイチゴを止めてダリア栽培を始めるなど、「市場や民衆がどんなものを欲しているかを考えて農業生産と販売戦略を考えるのだ」と豪語していた。さらに佳文氏の父・征矢氏は高校を卒業した1957年に日本に初めて5台だけ輸入されたフォードの32馬力を、さらに翌年には52馬力を2台と麦用のドリルシーダばかりか、海外のカタログを見て鍛冶屋に泊まり込んでそれまでは一つひとつが別作業だった7工程を一度にこなすコーンプランタを自作した。農業の世界で初めて投下労働時間当たりの収益という考え方を征矢氏から聞いた。
さらに、この8月にはその投下労働時間の少なさやNON-GMのトウモロコシなら国内ニーズが見込めると考える農業経営者たちが日本メイズ生産者協会を設立した。米国では当たり前の作物別生産者団体が発足したのだ。そのリーダーである柳原孝二氏は43歳。世代交代、そして久松氏のような新規就農者や業界を越えた農業への参入が農業を変えていく。

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