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土門「辛」聞

米価底上げの呼び水となるか 新潟コシ一般概算金千円高

全農県本部などによる22年産JA概算金―東北を残して主産地のJA概算金はほぼ出揃った。プライス・リーダーは、22年産も新潟産コシヒカリ一般(コシ一般)だ。前年産比1000円高。これに右へ倣えと他産地の県本部なども概算金を引き上げた。これで米価は底を打ったのか。新潟コシ一般を材料に検証してみよう。
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2年ぶりの引き上げ1000円高

全農にいがたが、22年産JA概算金を決めたのは、ことしも盆明け直後の17日の理事会。コシ一般は、農家が期待していた1万4000円台乗せにはならなかったが、21年産に比べ1000円アップの1万3700円。2年ぶりの引き上げだ。
これにはライバルの商人系業者から溜息が漏れた。彼らが想定していたのは1万3200円から1万3500円の間の価格。これに各JAによる生産者概算金、22年産の場合100円から300円の上乗せがあった。商人系業者が溜息を漏らしたのは、概算金が相場以上になりすぎて、その価格で集荷しても利益を出すことは難しいと心配してのことだ。
コメの消費低迷が長引くなか、勝ち組筆頭は魚沼コシヒカリ。同様に1000円高だった。1万7500円は、前年産比6.1%高。同7.9%アップのコシ一般には及ばなかった。引き上げ幅を大きくすると消費にブレーキがかかることを心配したのであろう。
消費低迷の影響をもろにうけたのは業務用のこしいぶき。上げ幅は500円にとどまった。新型コロナウイルス感染症流行前の概算金と比較すると、22年産は17.6%も低い。コシ一般は8.1%ダウン。魚沼コシはほぼ変わらず。業務用苦戦を象徴する数字だ。
新潟県庁“プロデュース”の新之助についても触れておこう。概算金はコロナ前と後では様変わり。最初は魚沼コシに張り合うような金額設定だったが、すぐに化けの皮が剥がれた。20年産から3年連続で同じ1万5200円。魚沼コシとは2300円も安く設定された。

上げ底で概算金アップをPR

22年産概算金には、永田町と霞ヶ関から熱い視線が向けられていた。昔なら“政治米価”というものがあったが、もはや死語。相次ぐ制度改革で流通や価格などから国は手を引き、“霞ヶ関米店”は廃業してしまったからだ。永田町と霞ヶ関は、米価に口出しできず、できるのは焚き火をうちわで扇ぐことぐらい。

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