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今年の市場相場を読む

円安の影響 輸入野菜の増減 カボチャ/タマネギ/ネギ/キャベツ

 円相場は、今年の2月以降5月ごろまで一気に2割以上の安値となった。当然、輸入品は価格が上がり、単価の安さが大きな競争力になっていた商品は、売れ行きが落ちた。輸入の野菜・果物も、円安をモロに受けた。加工業務向けは、ある程度は輸入原価が高騰しても需要はゆるがないが、国産が不作でない限り高値にも限度はある。輸入野菜の増減と円安との関係をみてみよう。グラフは貿易統計に基づく。
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カボチャ/輸入42%も 円安に輸入減重なるが原因はコロナ

【概況】輸入カボチャの数量は19年7月~20年6月までの、コロナ発生期を含む1年間で9.4万t、キロ単価(港着単価、保険含む)は99円であった。2年後の21年7月~22年6月までの、円相場が2月以降に急落した時期を含む1年間の数量は8.8万tで単価106円。2年間で数量6%減り、輸入単価は7%上がった。同じ期間の東京市場のカボチャ入荷量は2万6719t、平均単価は189円だ。北海道はシェア38%だが輸入品は42%ある。
【背景】国内最大の産地である北海道は、8月から11月が主な守備範囲。これに続くのがメキシコ産で2月くらいまで、重なってニュージーランドが出てきて5月くらいまで。年明けからのシーズンに輸入品に重なりながら出荷されてくるのが沖縄・鹿児島産。関東産も出てきて、8月には北海道に戻っていく。そうなると、輸入物は年末の需要期から初夏までの期間を受け持っているため、2月から始まって4月、5月でピークを迎えた円安が、ちょうど輸入時期に当たった。
【今後の対応】カボチャは業務用でも一定の需要はあるものの、大きくは家庭用需要だといわれる。20年の3月ごろからコロナが蔓延して外出が抑制されて、業務用需要の弱体化と家庭用需要に堅調推移が見られようになった。22年の円安がピークに至る5月には2年前の2倍近い輸入があり単価は16%高。6月にはキロ単価120円で、円安が最も影響した。2年前に比べると円安による単価高に見えるが、実際はコロナ禍で輸入量も減り単価も安かったためだ。

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