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特集

大麻取締法の75年ぶりの大幅な改正でどうなる?! 日本の産業用ヘンプ


審議の結果、医療ニーズへの対応として「大麻由来医薬品の製造と使用の解禁」を、薬物乱用への対応として「大麻使用罪の創設」を、大麻の適切な利用の推進と適切な栽培および管理の徹底については「植物の部位による規制からTHC濃度による成分規制への変更に伴う管理体制の整備」という方針がそれぞれ示された。
とりまとめ(案)は全20ページにわたり、補足資料(全67ページ)と合わせて内容は膨大だ。表2に産業用ヘンプの栽培に関わる変更点をまとめた。詳細は厚労省のウェブサイトで確認してほしい。
最も大きく変わるのは、原則栽培禁止として運用してきた大麻草を低THC品種と高THC品種(医薬品原料用途)に区別して、それぞれの栽培を認める点である。つまり、従来の植物部位による規制からTHC濃度による成分規制に移行するため、THC成分の検査体制を整備することになる。
低THC品種であれば、特に厳しい防犯体制を求めず、都道府県の独自基準による運用から全国で統一した栽培要件となる見込みである。極めて限定的であった栽培目的は、CBD製品、バイオプラスチック、建材などの新しい産業用途への活用の道が開かれる。長年、北海道ヘンプ協会が強く要望してきた海外の優れたヘンプ品種の導入についても、一定の条件下で輸入可能になりそうだ。
これまで極めて取得が難しかった大麻研究者免許は、既存の麻薬及び向精神薬取締法で規定されている麻薬研究者免許に一元化することで、ヘンプの育種や栽培等の農学研究を実施しやすい環境が整うだろう。
今後は、23年の通常国会で改正案が提示され、衆参両院での審議・採決を経て、可決されれば24年1月に改正大麻取締法が施行される見通しだ。ヘンプ品種のTHC濃度基準値、THCの検査手順、CBD製品のTHC残留限度値や食薬区分、海外品種の播種用種子の輸入手順などの細かい規則や通知など、未定なところも多い。いずれにしても、鎖国状態だった我が国の大麻政策が75年ぶりに大幅な転換を迎えるのは間違いない。
(次号に続く)

~日本の大麻草(麻)のTHC濃度~

 我が国では、THCの化学構造が同定されて以来、在来種の麻のTHC濃度研究が行なわれてきた。また、盗難防止の観点から栃木県農業試験場で育成された低THC品種の「とちぎしろ」は、現在、唯一の栽培品種とされ、THC濃度の研究成果がある。それらに加えて、厚労省が21~22年に240検体(花穂120検体、葉120検体)で行なった全国大麻除去検査の結果を図5に示した。

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