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【土門「辛」聞】
インフレ下フランスの旅 日本食品はいまどうなっているか
- 土門剛
- 第217回 2022年10月31日
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旅の最後がパリだったので、いつものようにオペラ座近くの日本人街に足を向けた。目的は2つ。ランチをとること、日本食品を扱うスーパーを定点観測することだ。ランチでは、欧米を席巻するすさまじいばかりのインフレを実感した。
今回もヨーロッパ最終日のランチは、ご贔屓の老舗のうどん店だった。いつもは天ぷらうどんで旅の〆をするところだが、今回は、なぜか Katsu Don(カツ丼)を注文した。ご飯が食べたいという胃袋の要求に従った。有名店の名に恥じない味だったが、請求書の数字を目の当たりにして腰を抜かしてしまった。22ユーロもしたからだ。
値段のことは、メニューを見ていたときも、それとなく確認していたが、いざ勘定の段階になって円に置き換えてみて、値段の高さに腰を抜かしてしまったという次第。今回の旅でのユーロ円の換算レートは計算しやすいように手数料込みで1ユーロ=150円と頭の中にたたき込んでいた。3300円だ。これに国産ビールを注文していたらランチが4000円コースになっていたところだ。
実は、このお店、コロナ前の前回旅行時にも、やはり旅の〆としてランチを食べに来ていたことがある。そのときも同じカツ丼を注文、16ユーロを払ったことを思い出した。そのときのレートは、1ユーロ130円。2000円のカツ丼という感覚だった。
今回は値上げに円安が重なってしまい、ランチとしては実にアンビリーバブルな値段になってしまったようだ。コロナ前と比べて値上がり率は実に37.5%になる。原材料費や人件費の高騰が原因だ。かつてないほどのインフレが進行しているようだ。
3300円もするKatsu Don
旅の最後がパリだったので、いつものようにオペラ座近くの日本人街に足を向けた。目的は2つ。ランチをとること、日本食品を扱うスーパーを定点観測することだ。ランチでは、欧米を席巻するすさまじいばかりのインフレを実感した。
今回もヨーロッパ最終日のランチは、ご贔屓の老舗のうどん店だった。いつもは天ぷらうどんで旅の〆をするところだが、今回は、なぜか Katsu Don(カツ丼)を注文した。ご飯が食べたいという胃袋の要求に従った。有名店の名に恥じない味だったが、請求書の数字を目の当たりにして腰を抜かしてしまった。22ユーロもしたからだ。
値段のことは、メニューを見ていたときも、それとなく確認していたが、いざ勘定の段階になって円に置き換えてみて、値段の高さに腰を抜かしてしまったという次第。今回の旅でのユーロ円の換算レートは計算しやすいように手数料込みで1ユーロ=150円と頭の中にたたき込んでいた。3300円だ。これに国産ビールを注文していたらランチが4000円コースになっていたところだ。
実は、このお店、コロナ前の前回旅行時にも、やはり旅の〆としてランチを食べに来ていたことがある。そのときも同じカツ丼を注文、16ユーロを払ったことを思い出した。そのときのレートは、1ユーロ130円。2000円のカツ丼という感覚だった。
今回は値上げに円安が重なってしまい、ランチとしては実にアンビリーバブルな値段になってしまったようだ。コロナ前と比べて値上がり率は実に37.5%になる。原材料費や人件費の高騰が原因だ。かつてないほどのインフレが進行しているようだ。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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