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コメ記者熊野のコメ市場情報

「産地高・消費地安」が鮮明に 流通業者の経営成り立たない


こうした作況より大きな要因は、主食用米の減反が目標を大きく上回ったことにある。
農水省は22年産米の作付以前に、需給環境を改善するには主食用米の作付面積を3万9000ha減らす必要があるとの目標を掲げていた。4月時点での作付意向調査ではその面積に達していなかったが、6月には4万3000ha、9月15日現在では5万2000haにまで積みあがった。新たに講じた畑地化による高収益作物への転換では10a当たり17万5000円もの助成金を支給するのだからコメ作りをやめる農家がいても不思議ではない。
面積の拡大が大きかったのが飼料用米で昨年より20%も増えて14万2000haにもなっている。主食用米より家畜の餌としてコメを作る方が生産者の手取りが良いという制度なのだから飼料用米が増えるのは当然だともいえる。

コメ卸の淘汰進む 精米販売安値競争止まず

飼料用米増産政策はそれ自体大きな矛盾をはらんでいるのだが、その一つに飼料用はBランク米が多く、飼料用米が増えれば増えるほど業務用に向けられるコメの量が減るという構造が生まれることにある。加えて飼料用米の助成金体系は数量払いが基本で、その基準はその地区の統計上の10a当たりの収穫量になるため、その基準値に達しなかった生産者は満額の助成金を受け取るためには不足した数量を穴埋めしなくてはならない。こうしたこともあって下もののコメの価格上昇の要因になっている。すでに22年産米は「産地高の消費地安」の傾向にあり、今後さらに顕著になると予想される。
コメ卸業界団体全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)は、量販店や中食・外食団体に対して3回もコメの値上げ要請を行なっている。諸経費に加えコメの価格が値上がり、価格転嫁できないと組合員卸の経営が成り立たない状況なのだが、流通の現場では全米販卸の名前が入った特売価格の精米が多く並んでいるのが実態で、これが止む気配はない。
なぜなら食品スーパーやディスカウントショップなどの精米売り棚を確保するのはコメ卸の至上命題で、プレイヤーが多いコメ卸業界はこの競争が激化することはあっても収束するは考えづらい。
コメ流通業界は一層淘汰が進むことになりそうだ。

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