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今年の市場相場を読む

やっと業務需要が戻ってきた野菜類 ニンジン/ネギ/生シイタケ/オオバ

徐々に解禁になってきた外食店の利用は、外国からの個人客を含めて、この10月には完全に自由化された。ミツバやパセリ、サラダ菜、オオバなどが強含みで動き出せば、明確に業務用の需要回復が知れるが、ネギやシイタケの増勢・単価高騰は、背景に底堅い業務需要がなければ考えられない。3年ぶりくらいに復活してきた個性の強い野菜の生産・供給体制を確認して、輸入食材に需要が逃げないように対応しよう。
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ニンジン/千葉産前倒し出荷と中国産2.8倍増が業務用復活の証し

【概況】東京市場のニンジンは、10月一杯までは北海道産の終了と千葉産が始まって潤沢な出回りになるが、両産地の作柄がズレて端境期状態になることも多く、近年の供給は不安定になりがち。今年は主産地である北海道が不作気味で、夏ごろから入荷は前年を割り込む推移だった。入荷減が続けば、強もちあい高値が続くのは当たり前だが、今年は6月以降から前年より入荷減の単価高基調がほぼ変わらず、コロナ期には見られなかった底堅い推移である。
【背景】ニンジンはいうまでもなく、家庭でも業務用でもかなり恒常的に使うために、不足時には迅速に中国産など輸入がカバーしているが、コロナ期には高値が続けば需要が落ち、相場は軟調になりがちだった。家庭用が中心になると現れる特徴である。その一方、入荷が少なくて高値がかなり続けば、一定量をコンスタントに必要とする底堅い業務需要が背景にあるはず。業務用が復帰してきた証拠に、東京市場への中国産の入荷量が前年の2倍以上になっている。
【10月以降の推移】9月のニンジンの入荷量は2割強の減で単価は前年の1.8倍、 取扱い総額(数量×単価)は前年の1.5倍と力強い。10月に入ると、中旬時点で数量減は5%程度の水準まで戻したが、単価は前年の2.6倍とさらに強い。業務向けにしか売れない中国産が2.8倍も入荷したことも、前年には入荷しなかった千葉産が無理して早めに出してきていることも、業務需要仕向けが力強く復活してきたことの証明だ。今後は、日照不足気味の千葉産が心配だ。

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