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江刺の稲

高齢者の役割とは何か

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第318回 2022年12月27日

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年の初めにお目出たい話をせねばと思い、先月号でも紹介した我が国の百歳以上の高齢者人口が9万526人だという話題から始めたい。新型コロナウイルス感染症の影響で減少に転じたというものの、2021年の日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳となっている。
平均寿命まで生きたとして、僕自身の余命は七年。もうそれだけしか残っていないのか。歳を取ると若いころと比べてまさに光陰矢の如しの感があり、七年前なんてほんの昨日のことのようにも思えて少し狼狽える。体力や思考力の衰えは隠せないものの、あと七年しかないという実感がない。それが多くの同世代人に共通した感覚ではないか。
実は今年の5月で創刊以来30年経ったことになる。商品情報誌の体裁を取りながら、指導されるのではなく、自ら土壌の科学を学び、顧客やマーケットの存在を意識する農業経営者という存在になろうと呼びかけていた。威勢よく旧態依然の農業界、ぬくぬくとした政治的保護の中で被害者意識を煽られながら農業指導者の語る言葉を受け売りさせられて「ウルグァイラウンド合意反対」と叫ぶ人々に喧嘩を売っていた。
あれから30年、そのころ生まれた人がもう立派な経営者になっている。「村、そして農家に産み落とされたまま生きる存在から、自ら農業経営者として生れなおせ」などと檄を飛ばしていたことが気恥ずかしくなるほど農業界は変わった。
創刊当時には外食産業などの異業種の経営者の生き方や彼らが示す農業界に対する批判的共感の言葉を紹介することに対して「お前はどっちの立場なのだ?」などと批判される時代だった。

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