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コメ記者熊野のコメ市場情報

止まらない検査米の高騰 店頭には中米原料の精米並ぶ


篩下米の発生量は年によって大きく変動するが、農水省の統計からはじき出した発生量はおおよそ30万tと推計されている。この中から比較的品位の良いものを主食用米の増量原料とする。玄米段階で一端篩ったコメを精米して主食用米として活用されるというビジネスが成り立っているのである。
こうしたビジネスが成り立つ要因も国が“主食用米”を高値にする政策を続けているからに他ならない。
主食用米と非主食用米の区分をなくせば、コメは品位の価値に従った用途に流れて行くので、こうしたおかしなビジネスは成り立たつはずがないのである。しかし、現実には家畜の餌になるような品位の落ちるコメがスーパーで販売されている。

東京都のコメ無償配布で混沌とするコメ流通業界

こうした低価格の精米が店頭に並ぶようであれば「悪貨が良貨を駆逐する」というグレシャムの法則を持ち出すまでもなく、主食用のコメの価格も上がらないということになる。
おかしな政策でコメの価格が上がらないという要因はまだある。その最大のものが東京都が打ち出した低所得者向けのコメの無償配布である。
これは、東京都が補正予算で打ち出したもので、約300億円の予算を使って住民税非課税世帯174万世帯に1万円25 kg相当のコメを、無償で提供するというもの。その総量はなんと4万3500tにもなる。実施されるのは23年3月からになるが、コメ業界に大きな影響が出るのは必至。
その影響について流通業界からは「非課税世帯の多くは単身世帯とみられる。この世帯に25 kgものコメが無償で提供されると、半年間コメを買わなくて済むことになる」「おそらくメルカリやヤフオクでコメの売り物が出てくるのではないか」とみている。
せめてお米券で提供されれば、米穀店で引き換えられるのでコメ業界は潤ったのだが、残念ながら東京都のお米券発注枚数が4000万枚という桁違いの枚数で、物理的に受けきれなかったという経緯がある。
降ってわいたような東京都のコメ無償配布により、年明けからコメ業界はますます混沌とした状況になりそうだ。

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