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【Economic eye】
アフリカ向けのコメ輸出は可能 アフリカの経済成長が日本の農業・農村を救う
- 評論家 叶芳和
- 第16回 2022年12月27日
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日本のコメ輸出は順調に伸びている。2010年は1898tであったが、21年は2万2833tである。この10年で10倍以上に拡大した。とはいえ、まだ2万t台であり、生産量700万tの0.3%に過ぎず、国内の過剰米解消、減反緩和に寄与できる水準ではない(コメ輸出論については本誌20年11月号本欄参照)。
アフリカのコメ市場は巨大で、しかも輸入は増加が続いている。表1に示すように、コメ輸入量は1550万t(精米換算)に達する。日本の「生産量」の2倍以上だ。しかも、急速に増大している。世界のコメ輸出量は4560万tであるから、今や3分の1はアフリカ向けである。
生産量も増えている。2000年1166万t、10年1735万t、20年2527万t(日本の約4倍)。増加しているものの(10年で50%増)、輸入の伸び(同70~80%増)ほどではないのは、消費の伸びがもっと大きいということであろう。世界も、アフリカも、コメは成長産業である(世界の中で見ると、日本のコメ産業の埋没が目立つ)。
アフリカのコメ市場の高成長の要因は、(コメはトウモロコシ等より高級食材であることが大前提であるが)人口増加と経済成長・所得向上が大きな要因であろう。地域別にみると、輸入規模は人口が4億人を超える西部地域814万t、東部地域423万tと大きい。
アフリカのコメ市場は巨大で、しかも輸入は増加が続いている。表1に示すように、コメ輸入量は1550万t(精米換算)に達する。日本の「生産量」の2倍以上だ。しかも、急速に増大している。世界のコメ輸出量は4560万tであるから、今や3分の1はアフリカ向けである。
生産量も増えている。2000年1166万t、10年1735万t、20年2527万t(日本の約4倍)。増加しているものの(10年で50%増)、輸入の伸び(同70~80%増)ほどではないのは、消費の伸びがもっと大きいということであろう。世界も、アフリカも、コメは成長産業である(世界の中で見ると、日本のコメ産業の埋没が目立つ)。
アフリカのコメ市場の高成長の要因は、(コメはトウモロコシ等より高級食材であることが大前提であるが)人口増加と経済成長・所得向上が大きな要因であろう。地域別にみると、輸入規模は人口が4億人を超える西部地域814万t、東部地域423万tと大きい。
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叶芳和 カノウヨシカズ
評論家
1943年、鹿児島県奄美大島生まれ。一橋大学大学院経済学研究科 博士課程修了。元・財団法人国民経済研究協会理事長。拓殖大学 国際開発学部教授、帝京平成大学現代ライフ学部教授を経て2012年から現職。主な著書は『農業・先進国型産業論』(日本経済新聞社1982年)、『赤い資本主義・中国』(東洋経済新報社1993年)、『走るアジア送れる日本』(日本評論社2003年)など。
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