ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

みんなの声でつくるにっぽん農政持論

農業政策の評価指標はこれでよい?

「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」――かつて大ヒットした映画で主人公が叫んだ名ゼリフである。翻って今日の農業界はどうだろうか? 「現場重視」を標榜しつつも、結局は選ばれた人々による会議でルールが決められ、その決定が広く影響を及ぼすケースも多い。まさに「事件は会議室で起きてるんだ!」といえる状況だ。
いま必要なことは、「現場重視」という言葉に流されて忘れられかけている〈会議室という現場〉への関心を深めたり、会議室により多く届けたりすることではないだろうか。そこで、農政・農業をめぐるトピックについて、会議室に招かれていない人々や、会議室で十分に発言できない人々の声や想いを集めて、社会に提供していく連載企画をスタートする。

テーマの解題

「政策評価」という専門用語をご存じない読者も多いだろう。これは、法律に基づいて各行政機関が政策効果を自ら測定・分析することを指す。政策のPDCAサイクルの一環として効率的で質の高い行政を推進し、国民への説明責任を果たすのがその目的である。
政策評価体系は複雑で多岐にわたる。評価指標は改定が重ねられ、新設されたり目標を達成すると外されたりする。農水省の政策評価体系では、農業・ 林業・水産業に関する基本計画をもとに7つの中目標を掲げ、それに紐づく25の政策分野に区分する。政策の特性に応じて、20の政策分野で「実績評価」を、5つの政策分野で「総合評価」を実施する(図1)。実績評価は、あらかじめ設定した目標について実績を毎年把握し、食料・農業・農村基本計画の策定年の前後を基本に達成度合いを評価する。
農水省による目標達成度合いの自己評価は概ね高い。しかし、評価指標は農水省が自ら設定していることに注意が必要だ。評価指標が適切であれば、農業政策の改善に貢献する。だが、評価指標に問題があれば、適切に政策の良し悪しを評価できなかったり、自画自賛の評価になったりしかねない。
今回のアンケート調査では、「農業の持続的な発展」に紐づけられた政策分野のなかで、実績評価が行なわれる5つの分野を取り上げた。

関連記事

powered by weblio