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土門「辛」聞

水活交付金と畑作交付金 ルール厳格化でフラットな競争へ

水活交付金問題が「畑地化支援・定着促進支援」という形でようやく決着をみた。交付ルール厳格化は、規定方針通りとなった。ただ土地改良区との調整には腐心した。畑地化支援の導入に際しては、水田農業の水利施設などを整備し、維持管理する土地改良区の事業基盤に影響を与えかねないので、その面をとくに配慮したのだ。
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ルール厳格化反対に土改連の影

知事が先頭になって、農水省の交付ルール厳格化に猛反対した秋田県に、“闘い”終わってのコメントを求めてみた。登場願ったのは、農林水産部の佐藤幸盛部長。佐竹敬久知事の指示で、共産党系の農民運動全国連合会(農民連)などと野合、「交付ルール厳格化をぶっ潰せ!」と反対運動を舞台裏でたきつけていた中心人物だ。
その佐藤部長に新たな支援策の評価を尋ねてみたら、「いいんじゃないですか」と素っ気ないコメントが戻ってきた。意地悪を承知で「それなら、なぜ反対したのか」と突っ込むと、消え入るような声で「何も反対していたわけじゃありませんけど……」と言い逃れ。農民連とのやりとりを読んで聞かせてやろうとしたら、佐藤部長の方から「いま、忙しいから」と先手を打たれてしまった。
いま思い出しても不思議なのは、なぜ秋田県知事が先頭になって反対運動を派手に繰り広げたかだ。交付ルール厳格化で最大の影響を受けるのは、水田で麦や大豆など畑作物を作付け、畑作交付金のほかに水活交付金も交付対象になる農家が多い北海道。反対したのはあくまで北海道農協中央会や農協だった。現場から交付ルール厳格化反対の声も起きなかった秋田で知事が“反乱”を起こしたミステリーを解き明かしてみよう。
昨年春頃、東北某県で土地改良区の役員をしている仲間から「秋田県知事が強く反対する水活問題の核心は土地改良区」とアドバイスがあった。農水省が補正予算成立後に公表した「畑地化支援・定着促進支援」の資料を一読して仲間のアドバイスを思い出した。確かに土地改良区に配慮した制度設計になっている。
土地改良区について説明しておこう。 「土地改良施設(農道、用排水路、ため池等)の新設・更新・維持管理等の土地改良事業の実施主体であり、知事の認可を受けて成立した農家の組織。土地改良区は法人格を有し、組合員について当然加入制度がとられるなど公法人としての性格が強く、いわゆる『公共組合』として地方公共団体並の性格を有している(略)『組合』ではなく『区』という名称が用いられているのは、土地改良区が土地、水系によるつながりを持つ地縁的性格の強い団体であることによるもの」(高知県農業基盤課の説明)

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