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今年の市場相場を読む

この冬特異な動きをみせる野菜類 ハクサイ/エノキダケ/アスパラガス/カボチャ

11月の中旬までそれほどの寒さではなかったが、下旬から12月にかけて全国を大寒波が襲った。「暖をとる」料理として、鍋物をする家庭が増える。ところが輸入も円安で動きに活況がみられない。供給面が抑制されて需要が例年を上回れば、必然的に卸売単価は高くなる。今冬は入荷減に対する単価の反応が結構極端である。同じ高値でも、それが厳冬要因だけなのか他の理由があるのか、観察してみる。
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ハクサイ/需要復活も茨城産減で和歌山・兵庫入荷の異常

【概況】東京市場におけるハクサイは、11月には16%ほどの入荷減に対して単価は49%も高騰。12月も20日に至るも入荷は前年同月比で15%少なく、単価も23%高い。21年の同じ時期をみると、3%減で19%高だから、寒いときは鍋需要からの引きが強いハクサイには平均値かもしれない。この時期に9割を占める茨城産が前年比で17%少ないために、急遽、和歌山や兵庫などからの緊急出荷がみられるが、茨城主導の相場にはあまり効果がない。
【背景】主産地・茨城のハクサイカレンダーをみると、秋は11月から急激な増加を見せ、年明けは3月にかけて緩やかに減ってきている。3~5月は横ばいで推移し、夏は極端に減るが、秋も深まる10月ごろから増えて、ピークは12月。ハイシーズンは群馬や埼玉が補完役だが、緊急時には近畿の主産地、淡路島や和歌山からも入荷する。関西市場向けから振り分けられるため、主産地茨城を地場に持つ東京市場の高値推移は、関西市場まで影響を与えることになる。
【今後の推移】 関西マーケット分が東京に引かれるのは、やはり異常事態だ。ひとつは寒波襲来で、今シーズンは家庭用はもちろん、業務用需要がとくに強い。また、22年冬の時点ではまだ生産・出荷のための労働力が不足していたこともある。関東では実習生が最も多い茨城には辛いシーズンだ。伝統的に茨城のハクサイ農家は、数年に1回はある品薄・高騰のタイミングを外さない。常にやや多めに作り、畑での囲いや冷蔵貯蔵などによって出荷調整し、相場操作する場合もある。

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