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また、中森氏は就農から7年目で200haにまで規模拡大してきた経歴から飼料用でのGM作物には関心があるものの、消費者の反応を思えばすぐに作りたいとは言えない実情を吐露した。
一方で、岸本氏は消費者と生産者が分断されていることを指摘し、GM作物の商業栽培についても背景にある空気がそれを許さないのではないかと私見を述べた。
さらに、リモートでフィリピンから参加したトウモロコシ農家のアルバロス氏は遺伝子組み換え品種の導入で、1ha当たりの収量が600kgから7000kgになったと自身の経験を報告した。
ただし、生産の視点では、日本の商業栽培はともかく、世界の潮流がBTコーンになるはずという予測が語られる一方で、消費の視点ではGM作物を主食として食べたがっていないのは日本人だけが特別ではないという話題提供もあった。
GM作物に関心のある農業者は全国にいる
ワークショップ後の懇親会には、参加者の半数以上が残り、交流を深めた。筆者もその場で話を聞いてみたが、GM作物に関心を持ち、話を聞いてみたいと思った農業者が全国各地にいること、GM作物を栽培できる将来を見据えている人が少なくないことを実感した。その一方で、機械体系による乾田化で収量増を実現してきた経緯を踏まえて、GM作物の導入効果がどれだけ上乗せされるのか―フィリピンでの導入効果に匹敵する成果は得られないだろう。GM作物は悪者でもなければ、万能な新技術でもない。機械力に頼れない作業体系など、GM作物が必要とされる現場を見極め、建設的な議論が進展することを期待したい。(加藤祐子)
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