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小川まさゆきの現代の農業観・農地観

お米クリエイター 佐藤裕貴 Uターン就農からアート×ファッション×音楽×農業へ


 無農薬栽培もやっている一方で、私も父も年々、体力が落ちてくるので、作業を楽にする方向でも、いろいろ考えてきました。草刈機を背負って半日がかりで汗をかいてやっていた作業が、機械に頼れば数十分で終わります。機械や設備も積極的に導入していて、年間2000万円ほど投資しています。


イベントを通じて小田地区にスポットライトを当てたい

―ところで、佐藤さんは「お米クリエイター」という肩書きで活動されていますね。
11年に農業をやると決めたものの、震災復興で盛り上がるなか、お米農家としてどうしていいのか、すごく悩んでいました。「お米農家の佐藤です」と自己紹介してもインパクトがなさすぎるので。どういう風に発信していこうかと思案して、「お米クリエイター」を名乗ることにしました。
その名刺を持って復興イベントに参加しました。毎月、100人ぐらいの方に会って、そのなかから毎月一人、協力者を見つけるつもりでした。でも、実際には出会った方の7割くらいが応援してくれて、何をやるにしても、応援してくれる方に恵まれました。
―そこから、イベントに参加する側から企画する側に?
イベントを通じて、自分の気持ちが高揚する人との出会いを求めていました。僕がこういう意識でやっている人だと知ってもらったうえで、パッケージデザインをお願いするところから始まって、僕がコーディネートできる部分も見えてきたんですね。
―どのようなイベントを主宰されましたか?
田植えに合わせて開催しているのは、「HAPPY GREEN FESTIVAL」です。毎回、企画の大枠は僕が決めますが、あとは仲間や声をかけた人にお願いして企画を進めます。必然的にお手伝いいただく方もその世界ではプロフェッショナルな方になります。
僕が大切にしているのは、ただの農業体験にならないようにということです。人間の五感である視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を刺激して、小田地区を思い起こすのに十分なものを提供するというわけです。“田植えした場所”としてだけでなく、心地よい音楽が流れていて、美味しい食べ物があって、アートがあって……という記憶を辿ると、佐藤裕貴がいて、小田地区って良いところだね、というように。
―具体的にはどんなことを?
「田んぼをヨーロッパにしたい」というコンセプトで、雑貨などを畦に置いたり、看板を創作したり。田んぼの真ん中にステージを作って、アコーディオン、ギター、チェロのバンド『ザッハトルテ』さん(京都で活動)に演奏してもらったり、田植え体験中にピッタリな曲をDJに流してもらったり。木こりさんには木工製作を、農地保全会には田んぼの生き物調査を、アクセサリー作家さんには手作りブースをお願いしました。田んぼでお絵かきをしたこともありましたし、美味しい珈琲屋さんを呼んで好きな時にコーヒーを飲んでくつろいでもらえるようにもしました。

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