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【土門「辛」聞】
EU内の地域文化が示す存在感 またまたヨーロッパの旅へ
- 土門剛
- 第221回 2023年03月02日
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初めてヨーロッパに旅したのは、学生時代の1969年のことだから半世紀以上前のこと。AIESEC(アイセック、国際経済商学学生協会)主催の海外インターンシップに参加するためだった。航空運賃は鮮明に覚えている。7月のハイシーズン出発の往復で19万8000円、燃油・サーチャージはまだなかった。
当時、男子大卒初任給(月額)は3万1200円。いまの貨幣価値に換算すると、21年度大卒初任給が22万5400円なので、6.3倍分、100万円以上の航空運賃ということなる。旅行費用は、2年ぐらいアルバイトで稼いで捻出した。
羽田空港からの搭乗機は、日本航空ダグラスDC-8だった。当時、日本からヨーロッパに向かうには北極圏ルートを飛行する。米ソ冷戦時代が続いていたので、旧ソ連がシベリア上空を開放していなかったからだ。後で知ったことだが、コクピットにはサバイバル銃が常備されていたという。ハイジャック対策ではなく不時着に備えてものだった。不時着すればホッキョクグマに乗客が襲われるリスクに備えてのものだ。
搭乗機は、給油のため米国アンカレッジ空港でストップ・オーバーする。すでにそのころ空港内には日本人乗客目当ての立ち食いのうどん屋が大型免税店の一画にあった。経営者は韓国の方だった。値段も覚えている。1杯10ドルもした。1ドル360円なので3600円。ぼったくりに近い。貧乏旅行の身には手が出る金額ではなかった。
当時、ドイツのゲートウェイ空港は、北部のハンブルグ空港だった。ヨーロッパ屈指の商業港があるので日本から多くの企業が拠点を置いていた。その関係で利用客が多かったようだ。フランクフルト空港は、国際的なハブ空港を目指して大がかりな空港整備の最中で、ゲートウェイ空港になるのは、新しいターミナルが完成した1972年のことだった。
半世紀前 初めてのヨーロッパ旅行
初めてヨーロッパに旅したのは、学生時代の1969年のことだから半世紀以上前のこと。AIESEC(アイセック、国際経済商学学生協会)主催の海外インターンシップに参加するためだった。航空運賃は鮮明に覚えている。7月のハイシーズン出発の往復で19万8000円、燃油・サーチャージはまだなかった。
当時、男子大卒初任給(月額)は3万1200円。いまの貨幣価値に換算すると、21年度大卒初任給が22万5400円なので、6.3倍分、100万円以上の航空運賃ということなる。旅行費用は、2年ぐらいアルバイトで稼いで捻出した。
羽田空港からの搭乗機は、日本航空ダグラスDC-8だった。当時、日本からヨーロッパに向かうには北極圏ルートを飛行する。米ソ冷戦時代が続いていたので、旧ソ連がシベリア上空を開放していなかったからだ。後で知ったことだが、コクピットにはサバイバル銃が常備されていたという。ハイジャック対策ではなく不時着に備えてものだった。不時着すればホッキョクグマに乗客が襲われるリスクに備えてのものだ。
搭乗機は、給油のため米国アンカレッジ空港でストップ・オーバーする。すでにそのころ空港内には日本人乗客目当ての立ち食いのうどん屋が大型免税店の一画にあった。経営者は韓国の方だった。値段も覚えている。1杯10ドルもした。1ドル360円なので3600円。ぼったくりに近い。貧乏旅行の身には手が出る金額ではなかった。
当時、ドイツのゲートウェイ空港は、北部のハンブルグ空港だった。ヨーロッパ屈指の商業港があるので日本から多くの企業が拠点を置いていた。その関係で利用客が多かったようだ。フランクフルト空港は、国際的なハブ空港を目指して大がかりな空港整備の最中で、ゲートウェイ空港になるのは、新しいターミナルが完成した1972年のことだった。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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