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江刺の稲

育種家たちの秘めたる思い

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第321回 2023年03月29日

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日本いも類研究会のホームページによれば、馬鈴薯の男爵薯とメークインはともに昭和6(1931)年に一般奨励品種となっている。品種としての歴史はさらに古い。
男爵薯は、米国の「アイリッシュ・コブラー」の日本名で、1876年にマサチューセッツで栽培されていたという説がある。1900年ごろに英国へ導入され、同国との関わりが深かった川田龍吉男爵が明治41(1908)年に日本へ導入した。その流れで「男爵薯」と呼ばれるようになったことはよく知られている。
一方のメークインは、我が国には大正初期に米国から導入されたとする資料が多い。英国のサットン父子商会が1900年に世間に紹介したものだが、両親は不明だ。
このとおり、19世紀末あたりから栽培されていた極めて古い品種である。収量性が高くなく、病害虫にも強くないことは、馬鈴薯を生産した者であれば誰もが知るところだ。にもかかわらず、日本での生食用品種としてはこの2品種がいまだにシェアを持ち続けている。低収量で病気に弱ければ生産者に嫌われて当然だし、消費者の立場からしても、目が深く、調理するにも不便な男爵薯は使い勝手が悪い。男爵薯独特のホクホクした食感や煮崩れしないメークインの魅力があったとしても、他の優れた品種がどうしてメジャーになれないのか。なぜ作り続けられ、消費者の人気を得続けるのだろうかと疑問に思う。

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