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【土門「辛」聞】
産地間競争をリードする半島農業 その強さをもたらしたテロワール
- 土門剛
- 第222回 2023年03月29日
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まずは首都圏の房総半島。半島の付け根は、西が江戸川の河口あたり、東は太平洋に突き出た犬吠埼。千葉県のほぼ全域だ。半島の面積としては全国3位の5034平方kmになる。トップは紀伊半島、2位は北海道の渡島半島だ。広域に及ぶため、作物も多種多様。房総半島で見所は、利根川の河口にある銚子市近辺のダイコンとキャベツだろう。全農ちばの産地紹介には、次のような記述がある。
「銚子は千葉県最東端にあり、その南東部分は太平洋に面し、北は利根川沿線の低地、西は表層を関東ローム層で覆われた北総台地に連なって立地しています。海洋性の温暖な気候に恵まれ、明治の初期から大根が生産されていましたが、昭和30年代中ごろから、農協が中心となり、商業ベースとしての市場出荷体制を築き上げました」
ポイントは、海洋性の温暖な気候に恵まれた銚子市。半島は、海に突き出た地形だ。海流の影響を受けやすい。銚子沖には、親潮(千島海流)が北から、黒潮(日本海流)が南から流れ込む。季節によって海水温変化があるので、内陸に比べて夏は涼しく、冬は暖かいという気候特性がある。銚子気象台の観測では、年間の平均気温は15.7℃、厳寒期でも最低気温は2.4℃を超える。市内でも、沿岸部と内陸部では冬季の温度差が大きい。
沿岸部の東部地区では、冬季温暖な気候を活用した春キャベツの栽培が盛ん。一方、内陸部の西部地区ではダイコンが中心となる。一大産地として確立したのは、1966年に秋冬ダイコンが農水省の産地指定を受け、集出荷の支援態勢がとられて以降のことだ。
房総半島 銚子に遊休畑ほとんどなし
まずは首都圏の房総半島。半島の付け根は、西が江戸川の河口あたり、東は太平洋に突き出た犬吠埼。千葉県のほぼ全域だ。半島の面積としては全国3位の5034平方kmになる。トップは紀伊半島、2位は北海道の渡島半島だ。広域に及ぶため、作物も多種多様。房総半島で見所は、利根川の河口にある銚子市近辺のダイコンとキャベツだろう。全農ちばの産地紹介には、次のような記述がある。
「銚子は千葉県最東端にあり、その南東部分は太平洋に面し、北は利根川沿線の低地、西は表層を関東ローム層で覆われた北総台地に連なって立地しています。海洋性の温暖な気候に恵まれ、明治の初期から大根が生産されていましたが、昭和30年代中ごろから、農協が中心となり、商業ベースとしての市場出荷体制を築き上げました」
ポイントは、海洋性の温暖な気候に恵まれた銚子市。半島は、海に突き出た地形だ。海流の影響を受けやすい。銚子沖には、親潮(千島海流)が北から、黒潮(日本海流)が南から流れ込む。季節によって海水温変化があるので、内陸に比べて夏は涼しく、冬は暖かいという気候特性がある。銚子気象台の観測では、年間の平均気温は15.7℃、厳寒期でも最低気温は2.4℃を超える。市内でも、沿岸部と内陸部では冬季の温度差が大きい。
沿岸部の東部地区では、冬季温暖な気候を活用した春キャベツの栽培が盛ん。一方、内陸部の西部地区ではダイコンが中心となる。一大産地として確立したのは、1966年に秋冬ダイコンが農水省の産地指定を受け、集出荷の支援態勢がとられて以降のことだ。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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