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江刺の稲

選挙シーズンに騒がしくなるエセ科学

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第322回 2023年05月09日

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原液は強酸性にもかかわらず、肌に直接触れても火傷をするようなことはない(紙や布は変色してしまうが)。妻はこの原液を化粧水のように使って快適だと言い、彼女の言葉に乗せられた友人たちも繰り返し、製造元に注文してほしいと頼んでくる。
さらにこの水は凝集剤の効果を持ち、水道水に混ぜると水に含まれるカルキ等の成分がイオン化して溶け込んでいるミネラル分と結合して沈殿するのが分かる。通常飲用する水はその沈殿物をろ過して使い、風呂の水などはその沈殿物を流してしまえばいつまでもきれいな水のまま入れる。我が家では1週間程度は風呂の水を換えない。しかも、温泉のように肌が滑らかになるから気持ち良く、残り湯は植物に与えている。
元々、製造元の社長から農業資材として売り込みを受けたのがきっかけで、試しに飲料用のものを飲み始めたのだが、すっかりヘビーユーザーになっている。
人々が持つに至った知恵の多くは経験を通してその価値や効果に気づいたものだ。その体験の意味や根拠が科学の力で検証され、あるいは否定されていく。一定の効用はあっても、それが法外な値段で売り込まれる場合もあるが、それらの商品は流行りが廃れば消えていく。
一方、多くの科学者に繰り返し検証されてその価値や安全性が定まったものに対して、研究者がそれを否定する見解を発表することもある。それ自体否定すべきものではない。その多くは後日科学的に否定されるのだが。しかし、健康効果を謳って売り込む商売と同様に、すでに否定されている危険性を過大にあげつらい、それを商売とする運動家たちもいる。最近では選挙シーズンになると農薬や遺伝子組換え技術について人々の不安を煽り、票集めの手段とする政党もある。できもしない公約を掲げる党派ともども困ったものである。

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