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【土門「辛」聞】
インボイス導入まであと半年 消費税ゼロ実現大作戦の秘策はこれだ
- 土門剛
- 第223回 2023年05月09日
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出来秋、米集荷の現場で「買い子」が活躍する。分かりやすい説明なら、米の集荷ブローカー。旧食管法時代からの歴史的な背景があるようだ。ネットで見つけた著者不詳の「地理講義」というサイトで見つけたバッチリ解説を紹介しておく。「ヤミ米集荷業者に売る米」というタイトルがついている。ヤミ米とは、いまは死語となったが、旧食管制度の厳しい販売統制があった時代に当局の目を盗んで取引された米のことである。
「新米のうちでも最も味の優れた米を、農家の庭先で、ヤミ米専門業者に売った。政府価格米よりも味が良いので高値で売れた。しかも、庭先での現金支払い、領収書なしのヤミ取引であった。専門業者の元締めは都会の米穀商であり、実際に田舎を奔走してヤミ米を買い集めるのは、その子分の『買い子』と呼ばれる、小型トラックを所有する、正体不明のブローカーであった」
世間にはあまり知られていない旧食管制度下の産地集荷の「闇」の部分にフットライトを浴びせた秀逸な解説だ。当時は農協出荷が全体の8割から9割。今も昔も、農家が農協に出荷しても、農家の手取り収入が少なくなるので、一部は都会の米穀商に売っていた。買い子は、その代理役。現金支払いの最初の動機は、旧食糧事務所や農協に知られないようにするためだった。もちろん農家は所得、買い子は売上げを税務申告しなかった。立派な脱税だ。
領収書なし現金決済の買い子
出来秋、米集荷の現場で「買い子」が活躍する。分かりやすい説明なら、米の集荷ブローカー。旧食管法時代からの歴史的な背景があるようだ。ネットで見つけた著者不詳の「地理講義」というサイトで見つけたバッチリ解説を紹介しておく。「ヤミ米集荷業者に売る米」というタイトルがついている。ヤミ米とは、いまは死語となったが、旧食管制度の厳しい販売統制があった時代に当局の目を盗んで取引された米のことである。
「新米のうちでも最も味の優れた米を、農家の庭先で、ヤミ米専門業者に売った。政府価格米よりも味が良いので高値で売れた。しかも、庭先での現金支払い、領収書なしのヤミ取引であった。専門業者の元締めは都会の米穀商であり、実際に田舎を奔走してヤミ米を買い集めるのは、その子分の『買い子』と呼ばれる、小型トラックを所有する、正体不明のブローカーであった」
世間にはあまり知られていない旧食管制度下の産地集荷の「闇」の部分にフットライトを浴びせた秀逸な解説だ。当時は農協出荷が全体の8割から9割。今も昔も、農家が農協に出荷しても、農家の手取り収入が少なくなるので、一部は都会の米穀商に売っていた。買い子は、その代理役。現金支払いの最初の動機は、旧食糧事務所や農協に知られないようにするためだった。もちろん農家は所得、買い子は売上げを税務申告しなかった。立派な脱税だ。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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