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土門「辛」聞

インボイス導入まであと半年 消費税ゼロ実現大作戦の秘策はこれだ


新食糧法の時代になった今も買い子による現金支払い・領収書なしの取引はなぜか健在だ。この取引形態では消費税の脱税や益税は野放しになる。取引を証明する証拠が何も残らないからだ。
インボイスは、もともと海外との貿易取引でやりとりする「送り状」のことを指していた。「請求書」という訳語もある。そこから国税庁は、10月1日実施のインボイス制度に「適格請求書保存方式」という訳語をあてたのだ。請求書の内容は、売り手が買い手に伝える消費税の適用税率と消費税額の2点。インボイス制度の仕組みは、売り手から買い手への消費税のバトンリレーと思えばよい。消費税の収税効果を高めるための制度であることは言うまでもない。

インボイスで税額のバトンリレー

インボイス導入で最大の焦点は、税額控除の協同組合特例と経過措置である。後者は後で触れるように6年間の時限。協同組合特例は、経過措置が切れた後も続く。そこで協同組合特例による税額控除のメカニズム、消費税の現行ルールと比較した場合の有利さを確認してみたい。現行ルールをビフォー、協同組合特例をアフターとした。
比較したのは、免税業者のカテゴリーになる1000万円以下の農家が出荷する玄米1俵(60 kg)の本体価格を1万2000円として、その消費税の納付税額を、集荷業者(協同組合特例の場合には協同組合)、卸売業者、小売業者の段階ごとに追ってみた。集荷業者や協同組合の仕入れ価格が1万1111円になっているのは、集荷の段階では内税(税込み)が通例となっているので、それに従った(表1参照)。
業者や協同組合は、それぞれ本体価格と消費税を内税で仕入れ、それに経費と利益を乗せて卸売業者に販売する。経費と利益については、おおよそのイメージで額を決めた。農家の段階での納付税額は水平バーにした。もともと年間1000万円以下の課税取扱売上高なら消費税は免税扱い。協同組合特例は、免税業者の既得権を引き継ぎ要件を厳しくしたということだ。
表の見方は、下段に示した各段階の納付税額を足していくと、確定納付額になる。それと消費者が払った消費税を突合して、数字が一致したら、税制ルール通りに消費税が納税されたことを意味する。消費者が払った消費税より少ない場合は、どこかの段階で益税になったか脱税されたかのいずれかである。
まず現行消費税。本体価格は1万9000円なので消費税は、軽減税率8%が適用され、1520円になる。ところが確定納付額は631円だ。その差889円は、農家が集荷業者から受け取った消費税額と一致する。にもかかわらず、農家段階での納付税額は水平バー表示。断っておくが、全額が益税や脱税になったという意味ではない。水平バーにしたのは、現行ルールでは仕入れ税額控除が確認できないからだ。

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