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今年の市場相場を読む

冬の寒さに強くて美味しくなる野菜類 キャベツ類/ハクサイ/ブロッコリー/ホウレンソウ

縮みホウレンソウ、縮みコマツナ、寒玉キャベツ、霜降りハクサイ、花蕾が紫色になったブロッコリー……そんな冬に美味しい野菜を、春に向かっても消費者や需要側がどこまでこだわるかが分かると面白いだろう。野菜の食味から季節を味わう習慣が「和食」の原点であり、結果的に野菜消費拡大にもつながる。「野菜を食べないとがんにかかりやすい」などと“脅迫めいた”摂取促進策はうんざりだ。
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キャベツ類/この10年ほぼ入荷不変 寒玉は全方面で、春物は消費者が支持

【概況】東京市場におけるキャベツの入荷状況を、この3月までの1年間(22年4月~23年3月)、10年前の同時期とを対比すると、数量は7%程度ながら増えている。一方単価は5%高い。この増減・高安はほぼ“揺れ”の範囲内であり、とりわけ有意の差として認識するのは危険だが、少なくとも年間入荷推移は10年間ほぼ変わっていないし、毎月の入荷量の基調も変わらない。ただし、3~4月になると小売商材である春キャベツが入荷する分、数量は増える。
【背景】 近年はキャベツの輸入量が、多い年では10万tクラスであったが、22年(暦年)は前年よりも3割近く減って久しぶりに1万t台だった。加工業務用需要は、近年になるほど増え、原材料の確保のために輸入は欠かせないが、直近1年では1万t程度しかなかったのはなぜだろう。国産調達分だけで原材料を賄えた事業者が多かったからだ。本格的なコロナ禍からの脱出期であり、加工業務需要は総体的に増えているにもかかわらず、輸入品への依存が減っている。
【今後の推移】加工業務需要に対するキャベツの契約的な生産が増えている。とくに大口需要者には、JA全農などが音頭をとって産地づくりをしているためである。ただし、3~4月ごろにかけて入荷が増えるのは、あくまでも小売り向けの春キャベツ。今年の3月は、2月より2割以上入荷が増えた。一般消費者も冬キャベツだけでなく、柔らかい春キャベツの美味しさもまたよく知っている。冬キャベツの愛知は前年比では2割減の一方、春キャベツの神奈川は8割近く増えた。

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