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特集

政府・自治体広報の危うさをファクトチェック

政府や自治体が発する広報メッセージが正しいとは限らない。 ときには「不都合な真実」が隠されることもある。 あえて発信しない情報もある。 そこには世論の操作や誘導といった意図が隠されているかもしれない。 誤解を助長するような広報さえ少なからずあった。 これまでマスコミ報道や一政治家の発言は それなりにチェックされてきた。 ところが、政府や自治体の広報自体は 意外とチェックが働いていないのではないか。 今回の特集では農業分野を中心に いくつかの事例を取り上げて検証する。
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Part1 BSE、コロナ、有機野菜
科学的根拠なき政府広報を問う/唐木 英明 食の信頼向上をめざす会代表、東京大学名誉教授

【はじめにChatGPTが答えたこと】

流行の対話型AIであるChatGPTに「国が行った虚偽の広報で国民を誤解させた例」を聞いたところ、数秒で回答が出てきた。その一部を示す。
(1)ソ連政府のチェルノブイリ原発事故に対する情報操作 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故では、ソ連政府が事故の全容を隠蔽し、被災地の住民たちにも正確な情報を与えませんでした。そのため、事故の被害は拡大し、多くの人々が被曝して健康被害が発生しました。
(2)アメリカのイラク戦争 2003年にアメリカがイラクに対して行った戦争において、政府は大量破壊兵器が存在するという情報を公表しましたが、実際にはそのような兵器は存在しなかったとされています。この情報の誤りが国民の支持を集めるために利用され、戦争に反対する人々が沢山いたにもかかわらず、戦争を継続することができました。
 私が使っているChatGPT(GPT3.5)が蓄積しているのは世界のネット情報であり、その期間はネット時代に入った1990年代後半から21年9月までという。そのため、22年にロシアが領土略奪のためにウクライナに侵攻し、プーチン大統領がロシア系住民をナチズムの暴力から救うためという虚偽の説明を行っていることは回答に入っていない。

また、回答がネット情報の偏りや誤りをそのまま反映するという問題もある。例えば、『日本政府は「従軍慰安婦」と呼ばれる女性たちを、日本軍の慰安所で強制的に性的な奉仕を行わせた事実を認めず、事実上隠蔽しようとしました』という回答もあった。

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