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江刺の稲

食料安保を語る本音はどこにある

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第323回 2023年05月30日

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5月11日付朝日新聞の一面トップに「食料増産命令 法整備を検討」との見出しを付けて「有事に輸入が止まるなど国内で食料が不足する事態に備え、農林水産省が農産物の増産を農家や民間事業者に命令できる制度をつくる方向で検討を始めた」。
さらに、「強制力を伴う新法を整備する方針だ」と解説している。
ネット検索すると、「食料の安定供給に係る主要な不測の事態に対する具体的な対応手順」という農水省の指針が出ている。
その指針を見ると、昨今の農産物あるいは資源調達の不安を利用して農水省や農林関係者の予算獲得に結び付けたいという思惑が透けて見えてくる。政府が食料安保を課題とすることはあるべきことだと思うが、であれば、現行の農業政策の在り方そのものが問われるべきだと思う。「強制力を伴う新法」を語る前にこれまで進められてきた農業政策による日本農業の弱体化(あるいは安楽死政策)や食料安全保障を危うくさせる様々な施策を問うべきだと思う。一方では「みどりの食料システム戦略」を推進しつつ、他方で「食料増産命令」を語る矛盾。必要なのは、取り立てた予算の増強などでなく、また土地基盤の問題だけでなく、日本農業を背負っていく農業経営者たちがその役割を果たせる体制を整えることではないか。そのために本当の意味での産業政策が求められるし、技術的にも遺伝子組換え技術定着に向けた積極的な取り組みなど農業の生産性を飛躍的に発展させる施策をとるべきだ。

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