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アルパカファームの経営・労務事件簿

社会保険の手続きミスを防ぐ


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手続きの漏れや遅れが経営を圧迫することも

今年も社会保険の「算定基礎届」を提出する時期が迫ってきました。期限は7月10日。社会保険料の納付額を決める大切な手続きです。

【一度に多額の保険料を納めるケースも】

近年、社会保険に関する調査が増え、年金事務所から思わぬ指摘を受ける例が数多く見られるようになりました。社会保険の遡及加入や月額変更にともなって、一度に多額の保険料を納めなくてはならないケースも珍しくありません。そんなとき、納付金をいかに工面するか、いかに従業員から遡及分を徴収するのか、経営者は頭を抱えます。
パートタイマーの労働日数や労働時間が増えて、社会保険の加入条件を満たすようになったのに、届出をうっかり忘れていたりすると、以前まで遡って保険料を納めなければなりません(時効は2年間)。しかも一括納付。遡及分が1年間あったとすると、従業員1人当たり何十万円、2年ならその2倍にもなります。予期せぬ出費で苦労することもありえます。
従業員にしても、以前の分まで保険料が給与から差し引かれれば、気分を悪くするでしょう。厚生年金と重複して支払ってしまったことになる国民年金の複雑な還付手続きも、自分でする必要が出てきます。
じつは先日、この5年間、社会保険料の設定を変えていなかったという事業主の方にお会いしました。従業員の給与が変われば保険料も変わる可能性が高い。保険料率改定を見落としてしまうと、当然納付額に過不足が生じます。ミスに気づいたり調査で発覚すれば、面倒な手続きをしなければなりません。

【従業員には事前に丁寧な説明を】

社会保険加入事業者であれば必ず行なう、年に一度の算定基礎届。この手続きのタイミングで一度、社会保険に適正に加入しているか、適正に徴収できているか確認をしてみましょう。
労務管理上もうひとつ意識すべきは、従業員からの社会保険料の徴収についてです。事業主が従業員の毎月の給与から天引きできる保険料は前月分に限られます。遡って2カ月分以上の保険料を徴収することはできません。もし毎月の保険料に徴収ミスがあれば、精算(追加徴収や払い戻し)する必要がある。従業員の了解を得られなければ、不足分の全額会社負担を強いられるケースだってありえます。
社会保険の仕組みに詳しい従業員は少ないのではないでしょうか。あとあと問い合わせやクレームがないように事前に説明しておくとよいでしょう。

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