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コメ記者熊野のコメ市場情報

今秋に二つの現物市場 農水省に不思議な動きも


(2)受渡しの確実性、代金決済の確実性をどう担保するのか(倉荷証券、取引証拠金、清算機構などの周辺整備はどうなるのか)。
(3)生産者重視が前面に打ち出されていると見られるが、価格形成機能の十分な発揮と需給の安定のためには、本来、売り手・買い手の双方に同等性があってしかるべきではないのか。
(4)需要に応じた生産を具体的にどう反映・リードできるのか。
(5)クリスタルライス(全米販)、全米工の席上取引など既存の現物取引とどこが違うのか。新現物市場の設置で既存の相対取引、仲間取引は縮小・吸収されるのか、並立するのか。上場数量の競争を前提とするのか。
これらの疑問は、まだ制度設計の詳細が明らかになっていないので今後を待ちたいとしているが、少なくとも市場と称するなら売り手、買い手の平等性があるのが当然である。結局のところ、みらい米市場はコメの当業者である生産者、集荷業者、流通業者が賛同して参加するか否かにかかっているとしか現状では言いようがない。

不思議な農水省の動き 先物市場復活はあり得るか

農水省はこうしたコメの現物市場創設を示す一方で、不思議な動きをしている。大規模稲作生産者を回って、実際にコメ先物市場を利用した経験やメリットについてヒヤリングしたのだ。堂島商品取引所に試験上場されていた商品で取引する場合の使い勝手や現物の受渡し等について聞かれたという。商品設計に関しては指数取引といった問題にも言及したほか、大連商品取引所など海外の動きやコメの証券化などにも関心を示したという。
しかも試験上場再開に関しても否定はしなかったというのだから驚きである。少なくとも農水省内部にコメを産業化するためには「先物清算市場が必要だ」と考えている部署があることが伺える。これはある意味当然だろう。
前述の識者に言わせると現物市場だけあって先物清算市場がないのは非常識ということになる。仮に今秋登場する現物市場が機能するようになっても価格変動のリスクヘッジできる先物清算市場は必要不可欠なもので、これなくして産業インフラを整備する市場にはなり得ない。
こうした先物清算市場の必要性をコメ卸や識者はどう見ているのか、農政調査委員会が主催した「コメに市場は必要か」と題したセミナーでの発言を紹介したい。
――コメ卸経営者
家庭用でも業務用の原料としても、価格の安定が一番重要だと認識しています。しかし、米価は何度も乱高下を繰り返してきました。そのつど卸や実需者は荒波に翻弄され、大変な労力を強いられました。

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