記事閲覧
【江刺の稲】
土を作れば作物勝手に育つ
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第325回 2023年07月27日
- この記事をPDFで読む
清水三雄氏が福知山市三和地区の山林を自ら重機で切り開き、自然の中で遊ぶ場所を作ったところを、「みわ・ダッシュ村」と名乗って開園した。清水氏に代わってダッシュ村を運営する副村長として家族ぐるみでダッシュ村近くの稲葉集落に住み着いた山本家。当時6戸の高齢者世帯だけの集落の廃屋に住みながら、家族で数年がかりで改築する。そこで生まれた一番下の長女を含め幼い子供たちは村の老人たちに可愛がられ、出没する獣や年寄りばかりの稲葉集落の風土の中で育っていく。
山本家では学校教育を否定するわけではないが、必ずしも学校への登校を強制せず、子供たちの興味の赴くままに「遊び」に集中させることで生きるすべ、老人たちとの村普請には強制的に参加させ、共同体、人とのかかわりを学んでいく。やがて、山村での遊びの中から生きる術を学ぶ。山菜、山の獣とそれを生け捕り、食肉処理と調理。それも生ける恵みを感謝の中で最高の食として調理する技も獲得していく。
山本家では学校教育を否定するわけではないが、必ずしも学校への登校を強制せず、子供たちの興味の赴くままに「遊び」に集中させることで生きるすべ、老人たちとの村普請には強制的に参加させ、共同体、人とのかかわりを学んでいく。やがて、山村での遊びの中から生きる術を学ぶ。山菜、山の獣とそれを生け捕り、食肉処理と調理。それも生ける恵みを感謝の中で最高の食として調理する技も獲得していく。
会員の方はここからログイン
昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)