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祭り前日に神社の掃除をしたら山奥へいって熊笹を集め
川であらって乾かしておき
当日は早朝から地元神社の神主さんに祝詞(のりと)をあげていただき
そのあと
伝統の粽作りがスタート。
おばあちゃんたちにリードしていただきながら
小麦粉に砂糖と塩を入れて
中に入れるダンゴを作るのですが
これがもうとてもアバウト。
10年以上一緒に作っていますが
塩何グラム砂糖何グラムと
材料を計っているのをみたことがありません。
計量は0コンマ1グラム単位
調理時間も正確に
プロとして
コース料理に真剣に取り組んでいる3人からすると
ちょっと仰天のアバウトさ。
ざっくり味をつけたら
ちょっと味見して微調整。
担当のおばあちゃんで毎年味が違うのもご愛嬌。
ダンゴができたら
乾かしておいた笹で包んで棕櫚(しゅろ)の葉を裂いたものを紐代わりに
巻いていくのですが
一年ぶりだと
みんなちょっと忘れているので
最初はいつも変な形のものができて自然と笑みがこぼれます。
神様にお供えするものなので
みんな丁寧には作りますが
大きさや形にノルマや制限ましてや罰則があるわけではないので
いたってマイペース。
夏祭りの由来は疫病退散
豊作祈願など
諸説あるでしょうが
やっている僕たちからすると
春からの農作業や大変な田植えをみんなでがんばって
全部やりおえたところで
ちょっと一息というのが本来の意味ではないかと思うのです。
来客を想定した
夏の一大イベントではなく
あくまで地元の人が
がんばったことへのご褒美なので
自分たちががんばった以上にがんばらなくとも良く
みんなが楽しみながら作って
へんてこりんな粽がいくつか混じっていても神様は笑って許してくれると思います。
遊びに仕事に
ついついがんばりすぎる癖のある山本家ですが
年に一度こんな祭りで
事前に決めたスケジュールやレシピ通りにいかない
おばあちゃんたちのペースで一日過ごすという時間を持つことは
僕たちにいろんなことを教えてくれます。
通信機能の発達で無駄が減り
世の中整理されて
とても便利になり
非効率な祭りや集会などもどんどん減りつつあるようです。
まあ若い人はそれで良いかもしれませんが
行動範囲の狭くなったお年寄りにとっては
人と会う機会が急激に減るというのはちょっと大変なことだと思いいます。
そんな問題意識を頭の片隅に置きながら地域の伝統行事を
いろんな世代と
楽しみながら今後どのように残していけるか
考えていきたいと思います。
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山本晋也 ヤマモトシンヤ
副村長
みわダッシュ村
1968年、京都生まれ。美術大学を卒業して渡米後、京都で現代美術作家として活動。そのかたわらオーガニックレストランを経営するも食材を種から作ってみたくなり、京都市内で畑を始める。結婚して3人の子供を授かったころ、農業生産法人みわ・ダッシュ村の清水三雄と出会い、福知山市の限界集落に移住。廃屋を修繕しながら家族で自給自足を目指す。土と向き合ううち田畑と山や川、個人とコミュニティーの関係やその重要性に気がつき、田舎も都会もすべて含めた「大きな意味での自給」を強く意識するようになる。この考え方は、美術家時代にドイツの現代美術家ヨゼフボイスのすべての人が参加して創り上げる社会彫刻という概念に影響を受けた。現在みわ・ダッシュ村副村長。
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