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知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ

スウェーデン(1) 気骨ある農家が合法化を後押しエネルギー利用の流行は続かず

スカンディナビア半島の東側に位置するスウェーデン。日本の約1・2倍の国土は南北に細長く、大半が森林地帯で、その約7分の1が北極圏内にある。
所得に占める税金の割合が多く、教育や治療等の無料サービスが充実した福祉国家として知られている。産業分野では、自動車のボルボ、家電のエレクトロラックス、家具のイケアなどのグローバル企業がある。

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ヘンプはスウェーデン語で「hampa(ハンパと読む)」といい、この国でも古くから栽培され利用されてきた。考古学的には、同国南部で発掘された繊維とオガラを分離する水浸レッティング跡から、西暦100~200年頃の種子、茎、花粉が発見され、400年頃の繊維が出土している。
その後、12~13世紀の法典では、亜麻、ヘンプ、大豆、エンドウマメ、小麦、ライムギの6品目を同国の最も重要な作物に挙げていた。グスタフ一世ら歴代のスウェーデン王は、一般大衆の日常的な利用だけでなく、陸海軍にも重要な資源であることを認識し、ヘンプを推奨。たとえば、国の威信をかけて建造した全長70mの巨大帆船「ヴァーサ号」には帆布やロープにヘンプが11tも使われていたのだ。残念ながらこの帆船は、1628年の処女航海の出発直後に沈没し、333年後に引き揚げられたという物語性を持つ。現在は首都・ストックホルムのヴァーサ号博物館に展示され、帆船建造の発達史を語る上で貴重な遺産となっている(図1)。

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