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米国ラトガース大学の研究チームが世界的学術誌「Nature」の姉妹誌「Nature Food」に「国際物流停止による世界の餓死者が日本に集中する」との研究結果を発表したのです。この画期的な論文では、局地的な核戦争が勃発した場合、直接的な被爆による死者は2700万人だが、「核の冬」による食料生産の減少と物流停止による2年後の餓死者は世界全体で2億5500万人に上るとされ、そのうちの約3割が食料自給率の低い日本に集中すると記されています。
傍線部分の原文は「そのうち日本での餓死者は世界全体の約3割にあたる計算となる」であり、「国際物流停止による世界の餓死者が日本に集中する」とか「食料自給率の低い日本に集中する」などの日本に関する記述は一切ない。さらに論文には「物流が停止しない場合」も試算しているが、その場合の日本の餓死者は0.0百万人、すなわち10万人以下である。
この論文は世界160カ国・地域について、核戦争が起きたときのさまざまなシナリオを推定したものだが、鈴木君はあたかも日本に警鐘を鳴らす論文が出たかのように装っている。都合がいいところだけを切り取って都合がいい話を作ることは偽造による情報操作であり、絶対にやってはいけないことだが、そのような最低限の倫理観までもが失われてしまったのだろうか。あるいはこれはインタビュー記事であり、自分自身は書いていないので知らないと言って逃げるのだろうか。
【悪の帝国と哀れな日本 陰謀論も拡散】
鈴木君は最近、「マンガでわかる 日本の食の危機 迫る飢餓・『質』も『量』も崖っぷちの現実から大切な命を守るために」(マンガデザイナーズラボ 2023/7/4)を監修している。その内容についてAmazonの紹介文には次のように書かれている。
「日本は他国からの干渉で農薬の残留基準値をどんどん緩和し、酪農での成長ホルモン規制や遺伝子組み換え作物、ゲノム編集作物に対する規制も輸入品に関してはザルで、最も厳格なEU圏や意識の高まっている北米、豪州、そして中国などより危険な食品を食べているのです。そして、規制を厳しくした国に輸出できなくなった世界中の食品は、全て日本に回ってくる。つまり農薬漬けや遺伝子組み換え食品の最終処分場のように扱われています。少子化やがん死の増大に食の質の低下が影響しているのではないかとの声もあり、次世代、次々世代に対する責任が問われています」
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