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【知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ】
中国(4) 地理的表示(GI)製品となった「中国漢麻の郷」のヘンプ繊維
- NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事 赤星栄志
- 第71回 2023年10月31日
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そのうちの黒龍江省では、17年に省条例が改正され、公的機関の登録があれば、ヘンプの栽培、加工、販売ができるようになった。北緯45~50度に位置する同省はヘンプの栽培適地で、黒河市、チチハル市、大慶市、綏化市が主な産地として知られている。22年時点の作付面積は約8万haで、中国全土の約7割を占める。
ヘンプは用途別に収穫する植物部位が異なり、品種や栽培方法も異なる。主に(1)繊維、(2)種子(子実)、(3)繊維/種子両用、(4)CBD(花葉)に分かれるが、同省でのヘンプ生産量の9割は繊維用である。ヘンプ繊維のうち、長繊維は伝統的な亜麻紡績のルートで、短繊維は綿紡績のルートで加工される。省内のヘンプ栽培・加工企業は575社に及び、中国のヘンプは歴史的かつ技術的、経済的な優位性から国際競争力を持つ産業になっている。
ヘンプ繊維は、吸湿・通気性、抗菌・防臭性、帯電防止性、抗紫外線(UV)に優れた生地となる。中国麻繊維工業協会の『ヘンプ・テキスタイル環境開発報告書2021』によると、ヘンプの1ha当たりのバイオマス量は約17tで、炭素固定量は同約7.815t、二酸化炭素の吸収量は同約28.657t。また、栽培、輸送、製造、加工の全ライフサイクルにおけるヘンプ繊維1t当たりに排出される炭素換算量は、4.143tである。綿(コットン)の102tと比べると極めて小さい値で、ヘンプ繊維が環境負荷のかなり低い素材だとわかる。
ヘンプは用途別に収穫する植物部位が異なり、品種や栽培方法も異なる。主に(1)繊維、(2)種子(子実)、(3)繊維/種子両用、(4)CBD(花葉)に分かれるが、同省でのヘンプ生産量の9割は繊維用である。ヘンプ繊維のうち、長繊維は伝統的な亜麻紡績のルートで、短繊維は綿紡績のルートで加工される。省内のヘンプ栽培・加工企業は575社に及び、中国のヘンプは歴史的かつ技術的、経済的な優位性から国際競争力を持つ産業になっている。
ヘンプ繊維は、吸湿・通気性、抗菌・防臭性、帯電防止性、抗紫外線(UV)に優れた生地となる。中国麻繊維工業協会の『ヘンプ・テキスタイル環境開発報告書2021』によると、ヘンプの1ha当たりのバイオマス量は約17tで、炭素固定量は同約7.815t、二酸化炭素の吸収量は同約28.657t。また、栽培、輸送、製造、加工の全ライフサイクルにおけるヘンプ繊維1t当たりに排出される炭素換算量は、4.143tである。綿(コットン)の102tと比べると極めて小さい値で、ヘンプ繊維が環境負荷のかなり低い素材だとわかる。
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赤星栄志 アカホシヨシユキ
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
理事
1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士(環境科学)取得。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て様々なバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究所研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。 【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net
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